今回の記事の内容
秋田県の酒蔵 新政酒造より発売された「新政 廻(かい)」という日本酒のテイスティングをしました。
平成三十年度 秋田県清酒品評会知事賞受賞酒(あきたけん せいしゅ ひんぴょうかい ちじじゅしょうしゅ )という限定の記念酒になります。
こんにちは忍(@aitojyounetu)です。
日本酒テイスティングの専門資格「酒匠」を取得して11年目を迎えました。
テイスティングの概要
今回は、日本酒テイスティングの項目「酒匠の試験と同じテイスティング項目」にて作成しました。
主観的な味わいではなく、客観的な香味判断として見ていただければ幸いです。
3分ほどで全部読むことができます。しばしお付き合いください。
新政 -廻- ~Kai~テイスティング
1,品質の評価
外観
具体的色調:健全 粘性:やや強い
香り
香りの強さ:やや強い香り
具体例:吟醸香◎原料香△熟成香×
香りの複雑性:ややシンプル
主体となる香り:甘みを思わせる香りが主体的、熟したメロン、バナナ、洋梨のようなフルーツ香
味わい
アタック:中程度
テクスチャー:滑りの良い口当たり落ち着いた優しい甘味、クリーンで清涼感のある酸味、爽やかそして柔らかな苦味、軽やかな旨味がありました
含み香:中程度
余韻:中程度・清涼感のある酸味の後に、柔らかい苦味がほどよく舌の上に広がる
2,本サンプルの個性
特徴的要素
・果実のような華やかな香り
・滑りの良いテクスチャー
・爽やかで柔らかい苦味のある余韻
留意点
・製造年月日が2018年の1月
・出荷年月日2018年の11月に出荷された商品
・口開けした日付け2020年10月27日。さらに日本酒を開けてから4日後(2020年10月31日)にテイスティングをしています
・冷蔵庫から開け、グラスに注ぎ5分後にテイスティング開始
3,4タイプ分類する(薫酒,爽酒,醇酒,熟酒)
4タイプ分類
薫酒
香りの高いタイプ◎
5,同軸グラフ・ポジショニングマップの作成
上記の通り。
香り
・華やかな香り:5
・ふくよかな香り:2
・穏やかな香り:2
・爽やかな香り:3
味わい
・甘味:4
・旨味:2
・苦味:2
・酸味:3
個人的評価
甘味の香りと味わい以外の数値にブレがない。
これは香味バランスの良さを示しているものである、と解釈しました。
飲んでみた皆様、如何でしたでしょうか。
上記グラフと他の同じようなタイプの日本酒を比較すると、典型的な薫酒タイプでした。
また、同銘柄と比較すると、コスモスやNo.6のSタイプに似たような味わい。
そして廻は「落ち着いた酸味」というところに、非常に好みがでるのかな?とも思いました。
なぜなら、酸味が落ち着いている分、余韻に若干の苦味を感じるから。
後口に苦味が少し残るほうが好みですね。新政特有のグレープフルーツのようなタイプが。
6,適した酒器
具体的酒器名
末広がりのゴブレットグラス、ワイングラス(足なしボルドータイプのワイングラスでも可)
江戸切子などの装飾品を使ったガラス工芸品
設定ポイント
酒のボトル単価が高いことから高級感を演出したシーンが最適となる。食事シーン演習に合わせ、高級感あるタイプのグラスを用いて、より日本酒の存在価値を高めるよう努める。
7,相性の良い料理
和食:セリのおひたし、なめこおろし、冬瓜の含め煮、青菜炒め、しめ鯖、エシャロットの塩もみ
西洋料理:パプリカのマリネ、若鶏のワインビネガー風味
中国料理:小松菜のワンタンピリ辛ダレ、白菜の甘酢漬け
その他の料理:
設定ポイント
甘味と酸味、適度な苦味を持つ日本酒の特徴を活かし、シンプルでありながら食材の風味や旨味と酸味の特徴を持つ料理を設定した。
また食事の前半に飲む日本酒と判断した為、比較的味わいの軽い料理を設定した。
適したシーン
春:◎
夏:◎
秋:◯
冬:△
8,セールストークの考案
香味に対するセールストーク
シンプルで上品な甘い香り、すっきりした清涼感のある酸味も伴う優しい香りが特徴的。
提供方法に対するセールストーク
メロンのようなフルーティーな香りと、清涼感ある味わいです。
日本酒を飲む際の一杯目がおすすめです。前菜に合わせるとより存在感ある味わいが楽しめます。
貴重な体験をさせて頂きました
こちらで以上になります。
マスメディアからは日本酒界のスティーブ・ジョブスとまで言われるようになった秋田の銘酒蔵元。すごい人気ですよね!
以前働いていた飲食店では、まさに店内新政フィーバーが吹き荒れていました。
現在も変わらない人気酒となっており、酒販店に行ってもあまり見かけません。また、取扱い店舗も少ないです。
飲食店に行って飲もう!
飲食店にとっても、注目銘柄となっています。昨今、通常取引ではなかなか発注も難しい銘柄となっています。
なので、仕入れている飲食店は頑張っていると思いますよ。営業努力している証拠です。
SNSなどで見かけた際は、ぜひ足を運んでみては如何でしょうか。
まだまだ目を話すことができない東北の銘酒をご紹介しました。
ご覧くださいましてどうもありがとうございました。
終わり
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