【毎日の繰り返し】日本酒テイスティングの意味とその方法【唎酒師テスト対策】

こんにちは忍(@aitojyounetu)です。

テイスティングは利き酒師の重要な仕事の1つです。
商品特性を理解することが、自分を含む全ての利益に繋がってくるからです。

日本酒サービスにおいては、特にお客様に潤沢な利益をもたらし、良質な関係性を築くことができる様になります。

それには、繰り返しテイスティングすることが大切。

 

今回の記事の内容

公平な香味判断をするため

 

テイスティングの本質

日本酒のテイスティングはその飲料の「香味」について、客観的かつ冷静・公平な判断のもと評価する能力です。

その日に飲んだ日本酒の味わい(イメージ)は、時と場合によって変化するものです。

体調や、その日の気分、料理と合わせた時などにも左右されやすい。

なのでお酒と一対一で向き合い合う真剣勝負。それがテイスティングです。

テイスティングをすると以下のような能力を身につけることができます。

 

テイスティングをして身についた能力

下記のとおり。

  1. 日本酒を選ぶ楽しみが増えた
  2. 料理との組み合わせ
  3. 酒器の選定
  4. 最適な飲用温度を判断する
  5. 飲用すべき時期がわかるようになる
  6. 日本酒のアピール文言を作成できるようになる
  7. 日本酒の公平な香味判断

今回はこちらを深堀りしていきます。

日本酒を選ぶ楽しみが増えた

テイスティングの数をこなせばこなすほど、日本酒のもつ「香味の系統」を理解できるようになります。

どの日本酒はどんな味わいなのか?という疑問がここで消えました。
ネットなどで調べ、香味イメージできたら、迷わず購入することができる。素直に嬉しかった。


逆に何も知らなかったころ、酒販店に行ってもどれを選べば良いか分かりませんでした。かと言って、店員に聞くのも野暮のような気したからです。
店員に聞けばおそらくアドバイスはくれるでしょう。しかし、本当に飲みたかったお酒かどうかは飲んでみないと分からない。

このハードルをクリアすると、本当にお酒を買う楽しみが増えます。

 

 

料理との組み合わせ

テイスティング時、どのような料理と合わせたら良いか?をイメージします。
何故なら日本酒は、「食中酒としての役割」が大きいから。

具体的には、甘味、酸味、旨味、苦味、余韻などの香味バランスを考慮しつつ
料理のイメージを掴んでいきます。

最終的には普段の食事から、外食にいたるまであらゆるシーンに置いて食べ合わせた時の経験を活かす必要があります。

私の場合、幸いにも飲食業として、日々様々な料理との組み合わせを体験してきました。
日本酒イベント、試飲会、営業後のテイスティング勉強会などで培った経験が、今も生きています。

 

 

酒器の選定

「特定の日本酒に合う酒器を提案すること」も、テイスティングをする意味で重要なことです。

日本酒の香味を最大限に生かすために作られた、いわば日本酒の奥深さを知るためのツールとなります。


酒器があれば、日本酒を飲む楽しみがさらに増えるでしょう。

そのために、どんな酒器を選べば良いのか?をテイスティングの中で見つけ出す事は、非常に有益な作業です。

 

 

最適な飲用温度を判断できる

日頃から様々な温度帯の日本酒を嗜むこと。そうすると、テイスティング時にでも適切な温度帯をイメージすることができます。

上記にも説明しましたが、日本酒のもつ「香味の系統」によって、飲用温度帯を把握できるようになるためです。

フルーティなタイプ、米由来の香味主体タイプ、熟成タイプなどの味わいの系統が見えてきます。

逆に、「あ、これは熱燗向きではないな」「冷酒にしたら甘味抑えられて凄く飲みやすくなった」「ぬる燗だといまいち味わいボケてしまうな、常温の方がむしろ落ち着いてた味わいだった」

などのコメントから、適切な温度帯を仕分けをすることができるようになります。

 

 

飲用すべき時期を提案できる能力がつく

テイスティングを重ねていくと、日本酒の飲み頃(旬の時期)を見分ける力が付きます。

複雑な日本酒造りの、様々な味わいを知るからです。

日本酒の造り方によって、出荷される時期があります。新酒、夏酒、ひやおろし。さらに通年出荷される、四季醸造。その中にさらに特定名称酒の存在も・・・。

一般的に理解するのは本当に難しい。

しかし、飲めば分かる、ように、なる。いえ、なります。笑

それには上記のような季節酒を意識し、飲んでみること。
また、季節の料理に触れて一緒に飲む。

このようにすると、お酒の香味や特徴を理解出来、かつ日本酒の種類についても学ぶことができます。

 

 

日本酒のアピール文言を作成できるようになる

テイスティングは味わうだけでなく、コメントを書くようにします。

理由は3つあります。

  • 忘れても思い出しやすい
  • 正確なテイスティングを目指せる
  • 他の日本酒と飲み比べることができる

スマホのメモアプリにでも入れておいたり、日本酒アプリに記録しておきます。

すると、「同時に飲み比べなくても、日本酒の飲み比べ」が出来ます。

また、今まで説明した内容全て記録することも出来ます。

 

ちなみに、利き酒師の試験では上記のような項目を書くテストがあります。

このようなテイスティングノートを作成し、プロとして活動している利き酒師は、日々サービスのためにこのような技量を研鑽しています。

 

日本酒の公平な香味判断

テイスティングの本質でも述べましたが、この項目本来の主旨、基本です。

好き嫌いを判断するのではなく、どんな香味なのか?を追求することがテイスティング本来の意味です。

また、第三者に伝えるための意味合いが強いこともポイントです。

お客様にイメージ通りの味わいを伝える

後は「そのためにはどのように伝えればよいか?」を考えるだけです。

イメージだった。期待通りだった、とコメントもらえたのなら合格です。

 

自分の好みを押し付けず、えこひいきせず、客観的な味わいを伝える。

説明した味わい通りのイメージだとしたら、信頼され、再度オーダを頂けるようになるでしょう。

テイスティングの第一歩は分かりやすく伝えることです。次にオススメした日本酒を飲んだことのない人に対し、イメージしやすい言葉を使う。

日本酒の公平な香味判断とは、このように養われていきます。

 

 

テイスティングをスキルアップさせる方法

味の感想を文字に残す

まずどんな味わいだったのかをどんな些細なことでも良いので文字起こししましょう。

これが利き酒(テイスティング)の第一歩です。

テイスティングというと「飲んで香味を確認する」というイメージを持つかと思います。

けれどもそれは熟練したテイスターが皆の前にて披露する「本番」を意味します。

利き酒テイスターは普段の練習の一つとして、ひたすら文字起こしをする。そこから香味を具現化します。

最終的に「飲んだ瞬間に言葉が出てくるようになる」

この様なイメージです。

 

具体的なイメージをつかもう

しかし「え、ちょっと難しいし、どうやって書けば良いのか分からない」と思われる方が多いと思います。

実際のところ、私も唎酒師の勉強をする前まではどう覚えるのか分かりませんでした。

しかし、物事には必ずテンプレート(見本)が存在します。

そう、すなわちテンプレートを先ずは繰り返し練習すること。

そして徐々にスキルアップに繋がっていきます。

詳しくはこちらの「唎酒師認定試験例題」の『第三次試験問題』をご覧ください。

https://kikisake-shi.jp/pdf/kikisakeshi.pdf

先ずはこのテンプレートに従ってテイスティングしていきましょう。

私もここからスタートしました。

 

繰り返しテイスティングで気がつくこと

必ず確認して欲しいことは前回テイスティングした評価を見比べることです。

するとある日、同じ味わいなのに、ある変化に気が付きます。

私の経験上もっとも変化が見られたのは下記の3つ。

  • 日本酒の食感
  • 気温による温度変化と香味の感じ方
  • 自身の体調変化による香味の違い

飲んだときの口当たりの重さが鮮明になりました。

また、冷たいときに飲んだとき、常温や少し温めたとき、熱燗のときなど、

温度変化によってさまざまな味わいの違いに気づきました。

またある時は、自分の体調によっては大味になったり、香りの感度が変化したことがありました。

 

自身の体調管理に気をつけて

前置きとして、テイスティングは常に健全な状態でテイスティングにのぞむことが大切です。

健康状態を同じにすることで、一回目で分からなかった香味や香味表現、日本酒の味の変化を理解することができるようになっていきます。

日本酒は時間がたてばたつほどと香味変化しやすい飲料です。

ご自身の体調を限りなくフラットな状態にしつつ、テイスティングを心がけて下さい。

そうすれば、例え日本酒の味わいに変化があっても、敏感に感じ取るクセがついてきます。

 

日本酒の体調を管理する

さらに気をつけるべきは、日本酒も同じ飲用の状態を日々キープする事です。

日本酒も人間と同じふうに香味変化しやすい飲料と考えましょう。

状態キープする方法として飲用温度が挙げられます。

  • 冷酒
  • 常温
  • 温める温度を決める

まずはこの3つに気をつけて飲用します。

日本酒の温度が15℃なら次に飲むときも15℃というふうに。

テイスティングするときは同じ状況・状態で飲む。これが大切であり本質です。

 

 

最後に

テイスティングする際は飲んでも大丈夫ですしかしながら、舌の上で感じとる方法も中にはあります。

プロの方を見てると吐き機と呼ばれる器に吐き出してたりします。

全部飲み込んでしまうと、酔っ払ってしまい、正常な判断能力が低下してしまうので、吐き出す方法を用いてるだけです。

ですので、こだわりを持って本格的にテイスティングしようとしている方・サービス業務の仕事として携わっていらっしゃる方以外、そこまで過剰に「飲見込まない」という選択肢をとる必要はないと考えます。

個人的にはもったいないなぁととも感じますし。

テイスティングに抵抗を感じている方は飲んで大丈夫です。ただし、一口を少量にし、できるだけ長く口の中に留めてくださいね。より香味を感じ取れるはずです。

同時にペンを持ち、味わいの感想を書く。SNSに味わいを書いてもOK。記録することが大事です。

何を書こうか迷ったら「テイスティングのテンプレート」に沿って味わいを記入して(チェック)みましょう。

 

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

ABOUTこの記事をかいた人

にっぽんの酒と造る人そして飲食人を応援してます。飲食業20年。銀座バーテンダー→SSI公認唎酒師→全国梅酒品評会の評議委員→日本酒テイスターのプロ酒匠(さかしょう)として接客実績を積む→退職→現在は、飲食事業・日本酒についての情報発信・ブロガー初心者・美味しい食べ物を五感で愛でる毎日