【もう一度】日本酒を苦手になってしまった方へのアプローチ方法3選【飲んでもらいたい】

今回の記事の内容

友人が日本酒を苦手になってしまっていた。よし、今こそ美味しい日本酒を飲んでもらおう!・・でもそんな時どうしたら良いのかな・・・。

学生の頃に飲んだ日本酒が美味しなかった。会社の付き合いや飲み会の時に良い思い出がない。日本酒ってホラ、こういうもんでしょ・・と先入観を持ってしまっている。だから今まで日本酒が好きになれなかったんだよ。

 

そんな方がもし身の回りにいたとしたら、日本酒のおいしさを知っている我々は、どのようなアプローチ方法があるのでしょうか。

こんにちは忍(@aitojyounetu)です。

飲食業界で20年間、飲食店スタッフとしてお酒の席を見てきた私には、いくつかの提案があります。

 

1 飲みやすい日本酒を勧める

2 飲みやすい日本酒から濃いめの日本酒へとステップアップする

3 それぞれ違う日本酒を飲み比べ提案する

上記3つを深掘りしていきます。

今もありがちな日本酒キライを治すには、そう上手くはいきません。

日本酒の本当の美味しさ・イメージを一新してもらう為には、適切な日本酒の提供順序があります。

 

1 飲みやすい日本酒を勧める

アルコールを思わせないフレーバーを選ぶ

 

飲みやすい日本酒、と一口に言ってもたくさんありますよね。

では具体的にどのような日本酒を勧めるか?迷われる方もいらっしゃるかと思います。

例えば以下のような香味のタイプは癖がなく、甘味が主体のタイプです

・南国のフルーツや甘い香りを思わせるフルーティーなタイプ。

・香りは柔らかい甘みを思わせる香り、後味はすっきりとした甘味と酸味のあるタイプ。

・ややほのかの甘味があり、酸味のすくないタイプ。

この他にも若干アルコール感はありますが、喉越しがよくサラサラしている日本酒があります。

 

この辺りの味わいが飲みやすく、アルコールに抵抗がないタイプのフレーバーです。

 

 

2 飲みやすい日本酒から濃いめの日本酒へとステップアップする

味わいの強さを考慮した日本酒を提案しよう

 

 

色々飲んでもらうと想定するのなら、”日本酒を飲む順番”も重要ですよね。最初から味の味わいの濃いガツンとするタイプを飲んでも、「ちょっと味がキツくて合わないかも」と思われてしまうかもしれません。

そんな時、日本酒を飲む順序をコース感覚でオーダーする方法がおすすめです。

下記は味わいの強さの段階を1~5段階にまとめました。

1.すっきりとした、みずみずしい甘味、丸みのある酸味と旨味。

2.ややシャープな口当たり、酸味が弱く、フルーツや米の甘味を思わせるタイプ

3.甘みと旨味のバランスが良く、かつ後味がみずみずしいタイプ

4.甘味がやや強いが、余韻はややこざっぱりとした酸味を思わせるタイプ。

5.甘味・旨味やや濃く、ジューシーな味わいがハッキリしているタイプ。

 

よくあるパターンとして、、

「お米の強い味わいがある生原酒タイプ」や、「甘味の強いインパクトのあるふくよかなタイプ」をオススメしがちではないですか?

飲みなれた方や、様々な味わいを知っている方にとっては飲みなれた味わいかもしれません。

しかし、複雑でインパクトのある味わいよりも、偏りのないバランスのとれた味わいの方が、最初は受け入れやすいと思います。

なぜなら飲食店スタッフ時代、なんとなく日本酒が苦手だったけど飲んでみたら以外と飲みやすかったという方(お客様)に聞いた経験があったからです。

生原酒タイプはアルコール強めですし、甘味の強いタイプを飲み続けると、クドく感じる場合があります。

味わいには辛口、中口、旨口、とさまざま。まずはステップを踏んで味わいの強さに配慮しつつ日本酒提案するのはいかがでしょう。

 

 

3 それぞれ違う日本酒を飲み比べ提案する

それぞれ違う銘柄を比較して飲むとより味わいがハッキリします。

その方が明確に味わいの違いがはっきりします。

ささいな味わいの違いにも気づいてもらい、日本酒の魅力が伝わりやすいでしょう。

上級テクニックになりますが、、比較テイスティングするときには具体的な方法があります。

①同じ味わいの近い日本酒を飲み比べる

②全く別の味わいの日本酒を飲み比べる

③それぞれの特定名称酒ごとに味わいを比較する

ポイントは、早いペースで飲みきらず、ゆっくりと味わうように意識することです。

 

温度変化によって様々なフレーバーを楽しもう

日本酒は冷酒の状態で置いた時からお酒の温度が上がり、常温に近づいてきます。

すると、日本酒の味わいも空気と触れる時間に比例して、「香味の表現が少しずつ変わってきます」

 

・フルーティでスッキリとした冷酒だったけど、時間が経つにつれて甘味が増してきた。

・バランンスのある、まろやかな味わいの冷酒だったけど、常温だと丸い感じの味わいに変化した。

・辛口ですっきりとした味わいの冷酒だったけど、常温だとやわらかい口当たりになって飲みやすくなった など。

 

何も日本酒の味わいを知ってもらうときに、量は関係ありませんよね。

いろいろな味わいがあると言うことを、まずは知ってもらいましょう。

「今の日本酒ってこんな味わいがある」ことを知っていただく回数が増えれば、苦手意識というイメージが少しは「こんな日本酒もあるんだな」と思ってもらいたいですね。

 

 

相手の飲む量/限度を知る

そもそもアルコール自体が苦手なのかも

日本酒が苦手、しかもアルコールの量もそんなに飲めない方には決して多くの量を求めず、少量ずつ、かつ相手のペースを見ながら試してもらいたいです。

飲むではなく、あくまでも試すと言う感じなら抵抗感なく飲んでもらえますし、さらにいろんな種類を飲んでいけば、新たな日本酒の世界が発見できます。

少量ずつ飲んでも、様々な香り・新しい味わいを覚えることが日本酒の魅力のひとつです。

また、日本酒の種類に関しては多くて2種類~3種類まで良いと思います。日本酒が苦手な方の中には、アルコール自体そんなに得意じゃない方もいるかもしれませんよね。

そんなときは飲むペースを相手に沿うのも一つのテクニックです。

 

少量ずつ、少しずつ。そしてゆっくり飲んでもらう

実は私もアルコール自体、あまり得意ではありません。

だから沢山飲む、というより、香りや味わいをできるだけ長く楽しみたい!と思うようになりました。

そういう背景を知らずに無理やり飲まされて嫌にならないためにも、気をつけなければならないポイントですね。

関連記事:

【日本酒】上手に飲めるようになる酔っ払いやすい人の改善方法【お酒弱い】 | 中畠忍のブログ (aitojyounetu.com)

 

 

日本酒のうんちくを活用してみよう

日本酒の特性を共有する

「うんちく」は、飲んだことのない日本酒を飲む場合にとても有効的な手法です。

日本酒には、さまざまな味わいがります。

日本酒の具体的な味わい、日本酒造りの側面の由来を飲みながら聞くと、より日本酒の良い部分のイメージがつきやすくなります。

ではどんなことをすれば?どういう表現をすれば日本酒が苦手な方からにもわかりやすく伝わることができるのでしょうか。

下記の4つをチェックすると良いでしょう。

①具体的な味わいを一言でまとめる

②香りや味わいを他の食べ物に例える

③日本酒の特性を活かし、料理とのペアリングができる

④自分だけの具体的な香味表現をもっている

 

また下記は日本酒の美味しさを上手に伝える、おすすめのキーワードです。

1.飲んでいる日本酒をイメージしてください。香りの高い、コクのある、軽快でなめらか、熟成etc..

2.その日本酒に合う効果的なシーンを考えてください。家庭適な料理と?レストラン?野外?etc..

3.日本酒の良いところを何でも良いので最低3つをイメージしてください。香りが高い・低い、飲みやすい、米の味わいが豊か、etc..

 

これらを意識しながら日本酒について解説すると、より具体的な味わいのイメージが定着します。

 

日本酒を教えるには知識が必要

伝える側は具体的な味わいを把握してなければ、第三者に明確に伝える事は難しい

と理解しておく必要があります。

なぜなら、自分がどれだけそのものを好きだとしても表現・共感がなければ、相手には伝わりにくいからです。

そして相手になるほど!と思わせるには、「なぜ?このような味わいなのか」を具体的に伝えることです。

 

わかりやすく簡潔にあなたは日本酒の魅力を伝えることができますか

少し大げさな表現かもしれませんが、このぐらいの熱量がないとまずいちど嫌いになってしまった方へのアプローチはとても難しいと思うからです。

現代日本は『飲ミュ二ケーション』ではなく、飲まなくても各個人が自由な飲み物をとって話す時代になっています。

その中であえて日本酒を伝えようとする熱意は誰にも負けない!

このような信念で伝えることが大切かなと思います。

日本酒を楽しめるような場所をセッティングすることも必要ですよね。

日本酒が3種類以上あった方がお客様に伝わりやすいですし、日本酒に強いスタッフがいることでアドバイスももらえるでしょうし、少ない量でかつ多種類飲めるような居酒屋レストラン最近はたくさん増えてきました。

日本酒を進める側の方はぜひ事前にリサーチをし、自分の好きな酒があったらそのレストランに行っておいしい料理と日本酒を合わせてみてください。

知らない銘柄があれば店員さんに確認をし、飲みやすい日本酒からオススメする。

そして、少量ずつお酒を楽しんでみましょう。

 

これが(元)飲食店店員である私からの「日本酒が苦手になってしまった方にアドバイスする方法」になります。

 

 

今回はこれで以上になります。

 

一度、嫌いになってしまった方に、「正しい日本酒」のあり方を伝える事は飲食のプロでも難しいんですよね。

では誰が伝えることができるのか。

それは苦手だと思ってしまっているご自身でしか変えられない、と個人的には思っています。

それにはまず、日本酒の美味しさを知っている我々が声を出し続けることです。

また、日本酒を説明するには、ある程度の知識が要ります。

しかし、飲みながら覚えていくことでまったく問題ないと思っています。

目的がはっきりしていれば、ですけどね。

 

 

分からなければ、専門知識を知っている人に聞けばOK

日本酒について疑問があれば、質問することで解決できることがあります。

そのために我々きき酒師がいます。

居酒屋やレストランで専門知識のあるきき酒師やスタッフがいたら遠慮なく質問してほしいと思います。

私もこの記事を読んでくれた読者の皆様のために、少しでも日本酒の疑問に思ったことを解決できる様に頑張っていきます。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

中畠 忍

 

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忍 | Shinobu_NakahataさんはTwitterを使っています 「ブログ更新しました。 具体的な銘柄ではなく「苦手意識がある方でも飲みやすい味わいの特徴」を紹介しました。こうすれば銘柄に迷わず、今一度飲んでもらえる可能性がありますよね。 【もう一度】日本酒を苦手になってしまった方へのアプローチ方法3選【飲んでもらいたい】 https://t.co/jyI3UtTnPd」 / Twitter

 

ABOUTこの記事をかいた人

にっぽんの酒と造る人そして飲食人を応援してます。飲食業20年。銀座バーテンダー→SSI公認唎酒師→全国梅酒品評会の評議委員→日本酒テイスターのプロ酒匠(さかしょう)として接客実績を積む→退職→現在は、飲食事業・日本酒についての情報発信・ブロガー初心者・美味しい食べ物を五感で愛でる毎日