今回の記事の内容
「日本酒を飲めるようになったキッカケ」「色々な種類を飲むために実践したこと」について解説していきます。
こんにちは忍(@aitojyounetu)です。
以前の私は、元々日本酒に興味がありました。
しかし、ワインや日本酒のような醸造酒(じょうぞうしゅ)自体が苦手でした。
体質が合わないためか、すぐ酔っ払ってしまうからです。
結果、長時間飲み続ける事が出来ませんでした。
それでも日本酒が好きなんです。
そんな私が日本酒を好きになった上手な飲み方について、解説していきます。
さらに、日本酒サービスのプロ「唎酒師(ききさけし) 」という立場から、試飲会での日本酒の飲み方と合わせて解説します。
1.日本酒を飲めるようになったキッカケ
2.日本酒の魅力にハマった「試飲会」
それではしばし、お付き合いください。
1.日本酒を飲めるようになったキッカケ
苦手意識がなくなった
苦手だった日本酒を好きになったキッカケ。
それは以下の3つを試しました。
1.少量ずつ日本酒を飲んだ 2.できるだけ多くの日本酒を試飲した 3.日本酒イベント(試飲会)に出かけた
結果、無理なく日本酒を飲みつつ、楽しいイベントにも出会うことができました。
しかし、好きでなければ日本酒イベントには行こう!なんて気はおきませんよね。
わたしは飲食店員だったこともあり、日本酒をもっと知ろうと勉強していました。
日本酒を多く取り扱う職場だったし、試飲会の誘いが多かったのも幸いでした。
職場に学ぶ環境が多くそろっていたこと。これが一番要因としては一番ですかね。
そんな私は次第に日本酒を好きになっていきました。
日本酒豊富な居酒屋で働き、勉強した。
このような経験から、毎日のように日本酒を飲み始めました。
唎酒師の勉強をするなら居酒屋で働いてみよう | 中畠忍のブログ (aitojyounetu.com)
酒器には少量だけ注ぐ
私にとってこの方法が現在、最良の飲み方となっています。
なぜなら “量” を飲めないから。
酔うまでの間、ゆっくりと味わいたい。
そんな気持ちから酒器には少量ずつ注ぎ、ゆっくりと香りと味わいを感じています。
すぐ酔ってしまう方に、おすすめの飲み方です。
ゆっくりと喉に飲む
少量でも味わって飲む場合には、口にした日本酒をすぐに飲まない事が大切です。
含み香(ふくみか)と呼ばれる、鼻から抜けた香りが効果的に感じ取れるからです。
口に含みながらゆっくりと深呼吸し、鼻腔から感じ取れる香りを探ってみて下さい。
そしてゆっくりと喉に落とすイメージで呑み込みます。
しかも酔うスピードもゆっくり。
良い方法でしょう?
少量ずつ口に含む
しかし飲食店などでは90ml、100ml、多い場合180ml(一合)などの単位で販売されていますよね。
これは量が飲めない人間にとって、ややハードルが高いんです。
また目の前に料理とセットで飲むと、飲みやすくなりついグビグビ飲んでしまう。
私の場合、こんな感じでつい酔うスピードが早くなってしまいます。
このような経験から、ゆるりと少量ずつ口に含んでゆっくり飲む事が大切です。
※プロの利き酒師・ソムリエも少量ずつテイスティングしてますし、非常に効率の良い方法です。覚えて損はないと思います。
温度変化による味の変化を楽しむ
ゆっくり飲むメリットは他にもあります。
時間は日本酒の香味を変化させます。
この特性を利用し、下記のような温度変化を楽しもう!というわけです。
- 冷酒が常温に戻るにつれ、シャープな酸味がやや強くなる。
- 華やかな香りのタイプほど、立体的に感じられるようになる。
- スッキリしたタイプの味わいほど、ややボヤけた味わい感じられる。
- 熱燗が冷めてくるほど、酸味を感じにくくなる。
一杯の日本酒に隠された変化をさぐるのも、日本酒を飲む醍醐味の一つ。
レストランなどで、けっこう多めに注がれたなぁ~と思ったら好都合!
時間による香味の変化をどうぞ楽しんでみてください。
きっと新たな発見を感じ取れるはずです。
味わいの似たタイプを選んで味わう
お代わりをする際は、味わいの似たタイプをオススメします。
好きな日本酒を選ぶことが出来るし、違う酒蔵の日本酒を楽しめる事が利点です。
同じ系統の味わいを飲む事で、少しずつ1つの系統の味わいが理解できるようになります。
違うタイプを飲み比べしても良いのですが、先ずは1つのタイプを深堀し、味わいの表情や個性を発見していった方が、あまり量を気にすることなく、日本酒の楽しみを少しずつ広げていけるでしょう。
沢山の種類を試飲する
飲食店によくある「飲み放題プラン」
この方法がおすすめ。もっとも「種類」を多く飲むことができます。
少量ずつ、さまざまな香りや味わいを体験し、味の違いを実感できます。
味の違いと言っても明確な基準を決めたいところ。
では、どんな基準にしたら良いのでしょうか。
おすすめは下記「特定名称別」「香味のタイプ別」「酒米別」の3つです。
・特定名称酒別(その他・本醸造・純米・吟醸・純米吟醸・大吟醸・純米大吟醸) ・香味のタイプ別(薫酒・爽酒・醇酒・熟酒) ・酒米別{一般米(こしひかり・ササニシキ など)・酒米(山田錦・五百万石・雄町 など)}
「様々なタイプの角度」から飲んでみる。
すると、香味の特徴を理解しやすい・味わいの記憶を振り返るときに、整理しやすいです。
マニアックなタイプ別のススメ
下記は特殊なタイプ別の比較方法です。
・酒コンペティションの歴代受賞酒別で味わいを比較する ・杜氏別(南部杜氏・越後杜氏・能登杜氏・など)で味わいを比較する ・酵母別で味わいを比較する ・季節限定酒ごとに味わいを比較する
日本酒のイベント・飲食店舗のイベントとして実施していたりします。
よほど種類がある日本酒専門店でなければ実施していませんが・・見かけた場合は注文してみても良いでしょう。
「季節限定酒」は専門店ではなくても開催してる店舗は多そうですので、飲み比べできそうです。
ちょっとマニアックではありますが、滅多に飲む機会のない日本酒を飲み比べるのもアリでしょう。
2.日本酒の魅力にハマった「試飲会」
新たな味わいを求めて
酒販店が主催する試飲会は無料の場合が多かったです。
あくまでも飲むためではなく、試飲して販促してもらうためのイベントだからです。
酒販店の担当者の方と少し会話する以外はほぼ蔵元・日本酒に向き合いながら
試飲します。
参加した目的は以下の通り。
・蔵元と話が出来、取り扱っている日本酒の事が分かる ・旬の銘柄が分かる ・酒販店が力を入れたい商品が確認できる ・自店のメニュー入れ替えの参考になる ・新たな銘柄の味わいを知る事ができる
日本酒専門の飲食店ではたらいていた時、耳にした試飲会ほぼ出席しておりました。
この経験が、今も日本酒に対する “好奇心の現れ” となっています。
有料試飲会のメリット
有料試飲には、飲食スタッフが参加すべき重要な点がいくつかあります。
その一つが「一般消費者型のイベント」に参加することです。
なぜなら、リアルタイムでお客様の反応を間近見て聞くことができるから。
周りの人を考察しつつ日本酒試飲できることは、とても貴重な経験になります。
業務中ですと雑務に追われます。結果、中々人の声を拾うのは難しい。
しかし試飲会ならば、ざっくばらんに声を拾うことができるのです。
男性・女性、年齢の層によってどのブースが人気か。
どの日本酒が熱燗に向いているのか。
あの都道府県に~という銘柄があったのか。
普段取り扱いのある蔵元の違う銘柄を飲んだ感想。
蔵元の裏事情を聞くことができた
イベントでの試飲(テイスティング)のポイント
私が実践していた事。それが下記のとおり。
1.味わったときにすぐ記録をつけるようにした 2.蔵元に直接質問し、前々から思っていた疑問を質問することができた 3.一つの銘柄の意見を多数の人に聞く事ができた 4.限られた時間の中で厳選した蔵元を決めて試飲した 5.自店舗でフィードバックを行った
とにかく蔵元に質問攻めです。
酒蔵の方へ質問できる事自体まれ
なので。
ポイントは職場で取り扱っている蔵元ブース優先。
真っ先に直行し、普段疑問に思っていること、日本酒が出来た裏事情などをこっそり聞いていました。
メモ用紙とペンを用意する
メモを取る際に必要なツールですね。必ず胸ポケットに入れています。
酒器を片手にメモるのは結構キツいですが、慣れれば書けます。
メモ用紙は濡れないように気をつければ良いのですが、試飲会の日本酒カップは小さいタイプが主です。
濡れやすいので注意が必要。とはいえ乾きますので特に問題なしです。
蔵元の発言は耳を立てて聞いて覚える
蔵元の言葉(メッセージ)を必ず、自店のお客様に伝えています。
生の声って聞く機会があまりないので、貴重な情報源でもあり、蔵元の想いでもあります。
試飲とは別の話ですが、蔵元の声を聞く事で味わいの記憶が印象に残りやすいですよ。
アルコールも入り記憶力がおぼろげになるので、忘れないようにメモが必要です。
時間を意識し3分以内で一銘柄を試飲する。
この機会により多くの日本酒を試飲したい。
私もこのようなタイプです。
ならば早く試飲して、次のブースに移りたいところ。
試飲会では2時間制の場合が多いです。
大規模なイベントの場合、蔵元の数も多くい。
その分銘柄も増えるので、より精確な試飲とスピーディに試飲する事が大切です。
なので3分以内に一銘柄を試飲・香味分析し、次の銘柄の試飲に移ります。
また、都内の試飲イベントですと、1部制2部制と入場制限が多いですね。
人気銘柄などはすぐ終了してしまいますので、最初から人気銘柄目当ての試飲もアリでしょう。
どの様な順番で蔵元ブースを回るか
私の場合:取引のある蔵元⇒新規取り扱い予定銘柄の蔵元⇒好きな蔵元⇒残り全部 という具合にブースを回っています。
あくまでも取引蔵元に周り、情報を集め、自店のお客様の為にフィードバックする事が目的。
利き酒師とはビジネスとして生かすべき資格です。
飲食人としては一般消費者の方にいかに楽しんでもらえるか、を常に考えています。
まとめ
プレイベートや飲食店では・・・
1.少量で味が分かるように訓練する 2.沢山の種類を試飲する 3.沢山の日本酒イベントに出かける
試飲会などのイベントブースでは・・・
1.試飲した記録をつける 2.蔵元に直接質問し、答えをすぐ聞き、疑問を解消する。 3.一つの銘柄に対する多数の意見を参考にし、テイスティングの参考にする 4.試飲会では事前に決めた銘柄を選び、限られた時間の中で精確に試飲ながら数をこなす。 5.自店舗でフィードバックをする
以上となります。
あまり多くは飲めないけど沢山いろんな種類のお酒が飲みたい、
日本酒好きの中にはそういった方が沢山いらっしゃいます。
私も含めた皆の共通する点が「あまりアルコールに強くなかった」ことです。
しかし工夫して飲む事ができたら、少しずつでも楽しんで飲めるようになります。
日本酒を飲む楽しみ、そして色々な種類を少しでもみつけて頂ければと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。