今回の記事の内容
本当に美味しい日本酒を探す方法は?今回はこの題材にフォーカスします。日本酒を呑み始めた方、
こんにちは、忍(@aitojyounetu)です。
SSI公認唎酒師(ききさけし)として15年ほど、飲食店や日本酒イベントにて、販売促進の活動しております。
今回は自分にとっての美味しい’日本酒を探すコツ’について解説します。
下記2つの確認方法をご覧下さい。
1.飲みやすい日本酒の特徴の確認する
2.「特定名称酒」から'飲みやすい日本酒'を確認する
順を追って解説していきます。
飲食業界にて働いてきた経験から、お客様の多くは飲みやすさを一番に挙げておりました。飲み放題でも何でもそうなのですが、お代わりする日本酒に限って以下の特徴がありました。
それは、水のようなお酒。喉越しが良い。そして飲みやすく、味わいがシンプルな日本酒でした。
日本酒には濃いお酒やフルーティな味わいも存在します。ビギナー目線で言えば、軽い食感で飲みやすい、ふんわりとした甘い香りの日本酒をオススメします。なぜなら、アルコールの苦味や日本酒特有の麹の香りなどが軽減されているから。
しかし、今回は「本当に美味しい日本酒とは?」を深堀りし、具体的な日本酒のタイプについて解説していきます。
1.飲みやすい日本酒の特徴の確認する
基本的には以下の2つから探すことができます。
①味わいの4タイプ分類表を活用する
②具体的な日本酒のタイプを確認する
①味わいの4タイプ分類表を活用する
私たち利き酒師が使っているツールがあります。それは日本酒を4つの味わいに分類することです。上記の表は大まかな日本酒の香り・味わいを分かりやすく解説しています。
この味わいの4タイプ分類表は、私が唎酒師として認定されてから以後ずっとこの表を活用し、日本酒を分類。特にわかりやすさがお客様に好評を呼んでいます。
画像出典元:【受付終了】≪11/24(火)無料開催≫【飲食のプロの方向け】日本酒は売れる!‛香味特性別分類(4タイプ)’を活用した日本酒の販売促進方法
【受付終了】≪11/24(火)無料開催≫【飲食のプロの方向け】日本酒は売れる!‛香味特性別分類(4タイプ)’を活用した日本酒の販売促進方法
話を戻しましょう。
結論から言うと、味わいの幅・そして香りの高さがそれほど低くないタイプの味わいの【爽酒】を選ぶ方が多いです。
理由は、4タイプの中で一番多く造られているタイプであり、かつ日本で一番消費が多いタイプだからです。
水の様なお酒というと喉越しが良い。そして飲みやすく、味わいがシンプルな日本酒をさします。
消費量が多いとはいえ、一番種類が豊富なタイプでもあります。”軽快でなめらか” であれば数え切れ合いほどの日本酒が当てはまるでしょう。
しかし、分類してみることで自分好みのタイプを掴めるようになります。
それでは ‘爽酒’ 以外のタイプはどのような特徴を持つのでしょうか。
②具体的な日本酒のタイプを確認する
4タイプ分類表から更に深堀りします。
好みの方向性を確認しよう
・爽酒(そうしゅ)・・4タイプの中で香りは1番低く、全体的に味わい弱め。甘味は少なめ、原料を思わせる旨味(うまみ)がやや感じられる。スッキリとした味わいからアルコール感のある味わい、また酸味の多い種類まで様々。多くの酒蔵がこのタイプの日本酒を多く造っている。
・薫酒(くんしゅ)・・全体的に香りは4タイプの中で高いが、味わいは弱い。花やフルーツを思わせる香りがやや高い、やや甘味を感じられ、酸味・旨味・苦味すくない。純米酒・吟醸酒・大吟醸酒に多くみられる。
・醇酒(じゅんしゅ)・・香りは弱くほんのりとした甘味はあるが弱く感じられ、酸味すくなく、伸びのある、ふんわりとした旨味が感じられる。余韻はほのかに原料由来の米の香りが短く感じられる。本醸造酒・純米酒に多くみられる。
・熟酒(じゅくしゅ)・・全体的に落ちついた香り。醤油せんべいを焼いたよう。甘味・旨味すくなく、余韻の長いタイプや、こざっぱりとした酸味が後味にほんのりと感じられるタイプまで様々。熟成された日本酒は、普通酒~純米大吟醸まで様々なタイプがある。近年、高級化が進められてきているタイプである。
それぞれのタイプの個性を知ること
まずは、自分の好きな味の方向性をひとつずつ探ることが重要なカギです。
製造の過程や味わいの加減で好みが左右されるので一言で日本酒の個性を探ることは困難です。
しかし、それぞれの個性を知っていれば分かりやすい判断材料となります。ご自身がどのような香りが好きなのか。どんな味わいが良いのか?
まずはご自身の好みの方向性を確認してみる事をおすすめします。
ご自身でもう好みは分かっていて、さらに突き詰めてみたい中級者向けには「特定名称酒」から再確認するという手もあります。
2.「特定名称酒」から’飲みやすい日本酒’を確認する
「飲みやすい日本酒」の特徴
・本醸造酒(特別本醸造をふくむ)・・旨味を思わせる香りで、やや弱く感じる。ふくよかな口当たりで旨味が中心。甘味・酸味・苦味はやや主張が弱い。
・純米酒(特別純米酒をふくむ)・・黒ぶどうのような甘味をおもわせる、おだやかな香り。ツヤのある原料を中心とした味わい。甘味やや弱く、酸味少ない、柔らかい旨味、線の細い苦味が中心。
-味のポイント-
特に注目すべき点は、香りの強弱、酸味の少なさ、味わいの幅・膨らみ・アルコール感の強弱。
いくら飲みやすくても、香りが強すぎると飲み飽きてしまいがち。酸味が強すぎると飲む手が止まります。味わいが強すぎると量が飲めません。
「香味バランスの良さが感じられ、飲んだ後の余韻もやさしい香りが鼻から抜ける。」本醸造酒・純米酒はそんなタイプの香味をおすすめします。
しかもこのカテゴリーは価格的に安い。安くて美味しい一本を、このカテゴリーから発掘できたら最高ですね。
スッキリとしたほのかな甘味の吟醸香(ぎんじょうか)をおすすめ
純米吟醸酒(じゅんまいぎんじょうしゅ)・・全体的に落ち着いた原料をおもわせる香り。線の細い甘味を思わせる香りが中心、旨味、苦味を感じさせる香りはきわめて低い。ほんのりとした甘さ・すっきりとした酸味が甘味の後に続くが、鼻にのこる原料の香りはほのかに消える。
吟醸酒(ぎんじょうしゅ)・・線の細い香り。甘味よりも酸味をおもわせる果実や花のイメージ。すっきりとした甘味と酸味が特徴。原料由来の旨味は弱い。余韻の短さは、「特定名称酒」の中では特に短い。
大吟醸酒(だいぎんじょうしゅ)・・果実・花を思わせる香りが強い。同時に感じる酸味っぽさもオレンジのような爽やかさを感じる。ほんのりとした甘味、キレのある酸味が特徴。旨味は中程度。余韻は飲む前の香りと同じようなニュアンス。
純米大吟醸酒(じゅんまいだいぎんじょうしゅ)・・甘味・酸味中心の、果実を思わせる華やかな香り。味わいの強さは香りより弱い。粒の細かい甘味・酸味が中心的。旨味・苦味はやや控えめ。
-味のポイント-
好みの香りであること。香りが強すぎるとクドく感じることがある。やや甘さを伴うが、後半はキレのある酸味で穏やか。
甘みを思わせるパイナップルや白桃、メロン、ぶどう。酸味を思わせるグレープフルーツ。穏やかな旨味を思わせる原料・麹米。これらの香味は吟醸酒ならでは。
最近では低アルコールや発泡タイプの日本酒があります。その中においても吟醸造りがなされた、飲みやすい日本酒も存在します。
色々なタイプ(特定名称酒)を飲み比べてみることをオススメします
日本酒造りを同じ工程で造ったとしても、蔵によって風味が違います。同じ特定名称酒を選んだとしても、味わいに違いがでてくる。そこが日本酒の面白さです。
そして特定名称酒という枠組みの中で選ぶ。すると、より自分好みの日本酒を探し当てることが出来ます。
特定名称酒まで選べると、ご自分の「本当に美味しい」と思う日本酒に出会える確立は高くなります。日本酒の酒類+好みの特定名称酒+α(アルファ)=本当に美味しいと思う日本酒になります。
意外と日本酒選びは難しいといわれますが、この大枠2つさえ決めることができると、意外と簡単に発見しやすくなります。
これから日本酒を飲んでみたい、もっと自分にあう”本当に美味しい日本酒”を日々探している方へ、少しでも参考になれば幸いです。
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