今回の記事の内容
利き酒師として必要なセールスプロモーションをまとめました。
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利き酒師の資格を取る為、セールスプロモーションについて勉強しているが
いまいちテーマが見つからない。何かヒントが見つかれば嬉しい
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こんにちは忍(@aitojyounetu)です。
私は過去に「焼酎利き酒師」・「利き酒師」・「酒匠」の試験に合格していきました。
飲食業20年を通して、様々なイベントを実施してきた実績があります。
そんな私からの「セールスプロモーション」の方法は以下の3つです。
1.お客様の好きな料理から日本酒を考える
2.オリジナル企画イベントを考える
3.自店スタッフのためにイベントを考える
こちらの3つを掘り下げて解説します。
1.お客様の好きな料理から日本酒を考える
全てシンプルな行動計画で決まる
はじめに。セールスプロモーションを始める時は、必ずシンプルな方法をとりましょう。
難易度の高い提案には、準備がある程度必要になっていきます。
上記を全て実行しようとすると、結構な時間やお金(出資)がかかってしまいます。
まずは動ける範囲かつ、シンプルに出来るイベントに着目することです。
出来る範囲から、次第に大掛かりなイベントを目指していきましょう。
シンプル料理から日本酒を提案する
一押しはズバリ、「シンプル料理と日本酒を提案すること」です。
シンプル料理とは
・素材の味わいを活かす調理をしている
・味付けがシンプル
・料理の手順がとてもシンプル
上記のとおり。
上記の様なシンプルな調理法で作った料理は、「シンプルな味わいの日本酒」に合わせやすいです。
単純に、素材の味わいの邪魔をしません。かつ、日本酒の自由度が増えます。
「個性的で複雑な以外の日本酒を選ぶ」事からオススメすれば良いでしょう。
具体的にどのような味わいの日本酒をオススメしたら良いのでしょうか。
料理の味わい>日本酒の味わい
「料理を主体」で考えるときは、さっぱりとした、スムーズな、日本酒の味わいをオススメします。そして低い香り、短い余韻あるタイプを選ぶと良いでしょう。
さらに言うなら、料理の味わいが映えるように「日本酒の香味に気をつける」となお良しです。
吟醸酒・大吟醸酒などの香気の高い日本酒は意外とお酒の主張が高いからです。
香り低く、味わいだけに特化したシンプルな日本酒を選ぶ。
そうすることで、次に飲む日本酒もオススメしやすくなります。
■ 旬の食材を使った料理と日本酒を提案するセールスプロモーション
立場設定:飲食従事者
ターゲット:来店者
組み合わせた季節:夏
テーマ:旬の食材を使った料理と日本酒を提案する
コンセプト:料理と日本酒の季節感を統一させ、冷涼感を感じてもらうこと
組み合わせた年中行事・祭事・記念日・社会動向:夏の期間限定
具体的な料理名:冷やしとうもろこしの藻塩添え
提案する日本酒:香りは低く、あっさりとした味わいの爽酒タイプを提案する。
組み合わせた理由:冷たい料理に合わせて日本酒を冷酒にする。冷涼感を楽しんで頂くため。
おすすめする酒器:少量注ぎ、一口で飲みきれるようなお猪口が望ましい。また、色彩ゆたかな色付き薄はりタイプのガラス製・陶器のお猪口が望ましい。
その理由:酒器の中にある日本酒を飲みきることで、冷涼感を継続して楽しむため。 冷涼感を最大限に楽しむため。
2.こだわり料理から日本酒を提案する
料理の「こだわり」は、1つだけではありません。下記を参考にどうぞ。
①食材の産地
②食材の調理法
③食材の生産者に注目する
④料理の量(多さ・少なさ)
⑤料理の価格
さらに料理提案する際は以下の3つのどれか1つを意識します。
A.単純に「おすすめしやすい商品」である事 B.「看板商品」であり、誰もがオススメできる一品である事 C.看板商品ではないが「売れている商品」である事
例えば、①②、さらにBを組み合わせたときの提案についてご紹介します。
■ こだわり料理から日本酒を提案するセールスプロモーション
立場設定:飲食店従事者
組み合わせた年中行事・祭事・記念日・社会動向:日々の営業
選定した料理:黒毛和牛とウニの和風ミルフィーユ仕立て
組み合わせる日本酒:ふくよかで線のハッキリとした酸味を思わせる醇酒タイプを合わせる
その理由:味わい濃厚、粒の細やかな酸味のあるタイプを合わせる。やわらかい口当たりと和牛の食感を同調を狙う。または、ややアルコール感の伴う酸味のタイプを選び、和牛・ウニの風味を引き立たせる。
テーマ:産地限定の黒毛和牛と産地こだわりのウニを掛け合わせる事で、見た目のインパクトや味わいの濃厚さをウリにする。
オススメする温度:40度前後の温燗で提供。
その理由:山廃の乳酸を思わせるしゅっとした酸味を膨らませ、油脂を程よく洗い流し効果を狙う。また、適度な油脂がサッと洗い流れることで、和牛の旨味とウニのコクが口の中で調和する効果を狙う。
その他演出など:刺身皿に、調味料をつけて食べる場合、使用する日本酒を「入り酒」として使用し、日本酒と料理の風味を引き立たせ「こだわり感」を演出する。
この様に詳細を決めると細部に渡って様々な演出が可能になります。
料理と日本酒がペアリングしたときのイメージを掴んでおくと良いでしょう。
2.オリジナル企画イベントを考える
準備が比較的かんたんで、実行可能な内容を2つピックアップしました。
①「季節毎に発売される日本酒」の強化月間をつくる
②「人気酒」に特化したフェアを開催する
■ ①「季節毎に発売される日本酒」の強化月間をつくる
季節のお酒とは
ざっくりと説明します・・
・春酒・・・生酒・無ろ過生原酒 など
・夏酒・・・火入れタイプのさっぱりとした酒
・秋酒・・・ひやおろしと呼ばれる生詰め酒・新酒
・冬酒・・・しぼりたて・あらばしり など
上記から「フェアのテーマ」を選び、料理との相性も考えましょう
テーマを絞ると、季節に応じた旬の食材にマッチすることが出来ますし、季節に対してお客様も敏感に反応して頂けます。
旬の食材と合わせるなら、旬の日本酒を合わせましょう。
絶好のタイミングですよ。
■イベントを成功する為にアピールするポイント
・毎年恒例にする
・第何回と銘打つ(継続していることをアピール)
・開催毎にテーマを変え、お客様を飽きさせないようにし、
リピーターを作る努力をする
新規来店・リピーターを考え、毎年恒例!をアピールし開催をアピールする事、そして「また来てみようと思っていただく事」が大切です。
また、季節毎に開催する際は、同じ日付を狙って設定し、告知・開催する事も重要ですね。リピーターを狙って、事前にDMやSNSでの告知をする場合にも目安になります。
何回も来店していただき、そして、飽きさせないような「シリーズ化」
「コンセプトを変えたイベント運営」を継続して続けて行けば、
店舗としての魅力を上げていくことが出来ます。
■② 人気酒に特化したフェアを開催する
その名の通り、巷で有名な日本酒をピックアップし、集客効果を狙う方法です。
リピーター向けにアピールしたり、噂で聞いた、「美味しい日本酒」を求めて
来店される「新規リピーター獲得」にも期待出来ます。
■ 日本酒イベントで集客しやすくなる
定期的に通って頂けるリピーターの数が多いほど、イベントの集客を容易に集めることが出来ます。なぜなら、店舗の事を知ってますからね。
店舗を知っている(見込み客)のお客様には、準備期間のうちに店内販促やSNS告知ががとても重要です。
それでは、「オリジナルイベントを開催するプロモーション」について、です。
■ オリジナルイベントを開催するプロモーション
立場設定:飲食従事者
組み合わせた年中行事・祭事・記念日・社会動向:通年
選定した日本酒:滋賀県の地酒5種
理由:日本酒:爽酒3種・醇酒1種・熟酒1種
店舗では爽酒のオーダー率が多いので爽酒を中心に展開する。
料理とセット販売出来るように、料理メニューにも日本酒名を載せる。
テーマ:第三回 ILOVE SHIGA~日本の料理と日本酒を愛でるツアー・滋賀県編~
⇒ 滋賀県に特化した、こだわりの料理と地酒をピックアップし、提供する
組み合わせる料理:滋賀県の食材を使用した料理5種類
理由:滋賀県に特化した、こだわりの料理と地酒をピックアップし、滋賀県の魅力を発信する。
オススメする温度:爽酒は冷酒販売を基本とし、リクエストがあれば答える。醇酒は旨味中心なので、常温~熱燗で提供する。熟酒は基本、季節によって冷酒~常温での提供とする。リクエストがあれば答える。
その理由
爽酒 :食中酒として幅広い飲用提案をするため。
醇酒:食材の味わいを膨らませる相乗効果を狙うため
熟酒:食中の後半、もしくは食後の提供を狙うため
その他演出など:フェア中、フェア酒注文のお客様へ専用の酒器を滋賀県特産の酒器(信楽焼き)を用意し楽しんでもらう。
琵琶湖の歴史などを書いたランチョンマットを作成し、テーブル上で滋賀県をアピールする。
期間:約1ヶ月(食材の調達が難しくなり次第メニュー終了ありにする)
具体的な食材:滋賀県産の特産物・近江牛・近江豚などの畜産物や・酪農・魚介類・野菜類を使用する。
料理名:滋賀県産黒毛和牛のタタキ、滋賀野菜を使用した温野菜・ジュレ(冷菜)・赤こんにゃくの煮物・琵琶湖特産・鮎の甘露煮
日本酒:爽酒2種・醇酒2種・熟酒1種
日本酒は個性の強いタイプはなるべく控えたいが、味わいの濃いタイプには爽酒2をおすすめし、野菜の煮物・赤こんにゃくには味わい濃く・酸味の主張がはっきりしている醇酒タイプを合わせる。
熱燗も訴求し、温野菜・近江牛ステーキ・鮎の甘露煮を合わせたいので、おすすめにも考慮する
ここまでお付き合いくださいまして、本当にありがとうございます!
次で最後です!笑
3.自店スタッフのための仕組みを考える
店舗イベントって、一人の力では成し遂げる事なんて出来ないですよね。
自店舗スタッフ全員の力があってこそのイベント成功と言えるでしょう。
イベント成功の為のおおまかな流れは、2つあります。
1:具体的な計画を提示し実行 2:計画を説明⇒理解⇒準備を進める⇒皆で協力⇒発案者が責任を持つ
具体的な計画に関して、①、②どちらが正しいと思いますか。
・1人で立てた発案者が、しっかりと回りのスタッフに説明後に行動案を提示し、行動に移って頂くパターン
・後者は全員に話ながら計画し、共同作業するパターン
結論は・・ミーティングは「全員」で実行し、決定権を決める「発案者」の指示で動く事です。
理由は簡単です。決定権を分散するとみんな何も決められなくなるからです。
一人の発案者が、皆から集まった決めてテーマを決めて最後まで指示し尽すこと。
色んな「各個人が出来る」意見を「まとめた」上で実行に移した方が、経験上早かったです。
ミーティングは全員でする事で、色々な意見が集まりました。(という設定でいきます)
以下はそのミーティングで持ち寄った「スタッフ(が全員で実行可能な)企画です。」
■ スタッフが選んだ「日本酒ランキング」プロモーション
立場設定:飲食従事者
組み合わせた年中行事・祭事・記念日・社会動向:通常営業時
選定した日本酒:スタッフそれぞれ好きな日本酒を選定
テーマ:自身が体感した売れ筋ベスト3
組み合わせる料理:試食した際に美味しかった料理
理由:実際に試食した、自信もってオススメ出来るから
オススメする温度と:過去の注文履歴から多かった飲用温度を参考にする
その理由:データに基づいて「当店で人気」と言えるから
その他演出など:ラミネートした日本酒リストを各テーブルに設置し、可視化する。⇒化粧室などの、目に付きやすい場所に貼り、アピールする。
毎日の売り上げ杯数を設定⇒ゲーム感覚で競争⇒記録をつける←どういう酒質のタイプが人気なのかも分かる⇒シーズンランキング発表⇒自己重要感を与えられるように運営していく⇒店舗収益化
以上になります。
「企画成功の鍵」は自店舗スタッフの協力です
様々な企画の内容でやるべき事はたくさんあります。
一つずつ、課題を見つける度にイベントは進化し、大きくなっていきます。
良くある、県別で開催されている地酒の試飲会の、小さいバージョンだと思えば
良いですね。
そして用意するものは
料理・日本酒それに企画書です。
あと求められる事は、こだわり料理と特別酒。そして季節に応じた対応の仕方や、店舗スタッフの全協力。これ超重要です。
企画自体は料理・日本酒の中身を知ればこそ実行できる技術です。しかし、利き酒師の試験ではそんなことは言ってられないんですよね。企画をたて、プレゼンする気で書かないと点数がつきません。
紙上にてセールスプロモーションを書く練習をされる方は、
自分がお客様をどの様にもてなすのか?
どの様な味わいで、どんな楽しみをプロモーショオンできるのか
これらをイメージしながら勉強に励んで頂きたいです。
また、自店で働きながらイベントを立ち上げる方は、お店もスタッフのみんな両方好きになって、その好きをイベントという形で表して欲しいです。
私もイベント立ち上げに向けて日々企画や行動を起こしつつ、執筆活動に専念していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
中畠 忍