【正式名称】日本酒勉強の第一歩!清酒について解説する【利き酒師の試験対策】

こんにちは忍@aitojyounetuです。

日本酒テイスティングのプロ酒匠(さかしょう)として日々勉強しています。

今回はずばりシンプルに・・・

今回の記事の内容

日本酒と清酒の違いについて知りたい

上記の質問に答えます。

シンプルなワードではありますが、非常に奥が深いんです。

なぜか。

それは、酒税法にも関わってくる話だからです。

でも、一般的には酒税法といってもピンとこないかもしれません。

日本酒ビギナーの方、これから日本酒を勉強する方目線で分かりやすく説明しました。

 

3分ほどで読み終えることができます。

どうぞよろしくお願いします。

drinks, bottle, sake

清酒をひとことで説明する

ngd3 (CC0), Pixabay

清酒とは

結論からいいますと「清酒」(せいしゅ)とは、数ある酒類の名前(品目)の一つです。

そして、酒税法で決まった呼び名を「清酒」といいます。

しかし我々が普段呼んでいる「清酒」は「日本酒」とも言います。


なぜ日本酒と言うのか

それは一般的に呼ばれる酒類の名前として使用されている、周りに広く定着している名称と言えるでしょう。

ということで、厳密には「清酒」が法律上、正式な名称となっています。

 

酒類の分類を確認する

酒税法上の分類では4タイプに分かれます。

利き酒師のテストに出る可能性大です。しっかりと確認しましょう※

 

1.発泡性酒類・・・ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類

2.醸造酒類・・・清酒、果実酒、その他の醸造酒

3.蒸留酒類・・・連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎、ウィスキー、ブランデー、原料用アルコール、スピリッツ

4.混成酒類・・・合成清酒、みりん、甘味果実酒、リキュール、粉末酒、雑種

 

国税庁・酒税法における酒類の分類および定義より引用しました※

 

重要※清酒の詳細な定義も確認してみましょう。

 

1、米・米こうじ・水・清酒かす・その他政令で決まっている物品を原料として発酵させ、こした(搾った)もの

2、米・米こうじ・水を原料として発酵させること。そしてこしたもの

 

1.2には共通点があります。

それは「アルコール度数を22度未満にすること」という規定があることです。

これが清酒の定義を理解する上で非常に重要なポイントになります。

 

この先、酒類の勉強・商売をされるかたはこの分類を把握しておきましょう。

お客様や飲食店スタッフへ説明するときに非常に役に立ちますよ。

 

日本酒は一般的な酒類の名前だった

いかがでしょうか。上記の2の醸造酒類にあたるのが「清酒」となるわけです。

そして「日本酒」とは一般的に呼ばれる酒類の名前のことを言います。

その証拠に上記の「酒類の分類」には「日本酒」という名称は見当たりません。


というわけで、清酒は酒類の名称(品目)であり、日本酒は一般的な酒類の名前というわけです。

 

 

2.どうして清酒を日本酒と呼んでいるか

普段わたしたちは日常的に清酒を日本酒という名で呼んでいます。

理由は以下のことが考えられます。

みんなが言っているから

・日本で造られている酒だから

・國酒としてとらえているから

考えられる大きな要因としては「みんなが言っているから」が大きいかと思います。

20年間飲食店で働いてきましたが、お客様から「清酒ちょうだい!」と注文されたことは1度もないです。


※清酒と表記されている※

 

不思議ですよね。だって酒瓶にだってしっかりと清酒と表記されているのにも関わらず、我々は無意識に日本酒と呼んでいます。

そして飲食店でもほとんどが日本酒、冷酒とかお酒、という形でご注文されています。

なぜ清酒なのか?と考えたことはありますか?

 

酒税法なんて知らない


それもそのはずです。酒税法なんて一般の方は知る機会はあまりありませんよね。

ましてや勉強しないと日本酒の瓶に「清酒」とかかれていたとしても、基本スルーされると思います。


だって「日本酒=清酒でしょ? と聞かなくても分かるよ」と認識されるのは当然のことです。

皆さん口をそろえて「日本酒」っていってます。

私だって言います。けど、文章を書いているときは清酒と表現します。

実家が神道ということもあり、幼少のころより日本酒というよりは清酒というイメージが強かったから。

しかし、それだけのことです。

 

 

3.日本酒の定義とは

それでは「日本酒」という曖昧な呼び方には定義があるのでしょうか。

実は199512月に「日本酒の定義」として【地理的表示基準】が発令されました。

日本酒の定義が晴れて明確になったのです!これはすごい!

 

そしてラベルには清酒もしくは条件付きで「日本酒」記載が可能になりました

その条件とは以下のとおり


原料の米に国内産米のみを使い、かつ、日本国内で製造された清酒に限り「日本酒」と表示してもよいことになっています。


ソース:国税庁HP


※品目:日本酒 と表記されている

 

反対に、外国産の米を仕様した清酒に関して「日本酒」とは表記できない仕様になったという見方もできます。
例えば、海外で作られた清酒も日本酒とは表記できません。

したがって[日本酒 表記]は純国産の証として証明するものと受け取ることもできます。

 

 

海外の日本酒はRice wine かそれともSAKEか

海外勢のSAKEを日本酒として商用利用することができなくなってしまっていたんですね。

国内の造り手の心情を考えると、しっかりとした品質を造ってほしいです。

海外で造られていらっしゃる酒蔵さんにも頑張ってもらいたいと願う私にとって、この辺りはなんとも言えないのが本音ではあります。

しかしポジティブに考えれば、今後ますます輸出が進んでいく国産の日本酒をアピールできる呼称として大いに効果あると思います。


Rice wine(
ライスワイン)ではなく、SAKEでもなく「日本酒」として再認識されれば外国産の清酒と明確な区分けもできます。

日本酒の環境も、時代を追うごとに少しずつ変わってきているんですね。

 

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

中畠 忍

ABOUTこの記事をかいた人

にっぽんの酒と造る人そして飲食人を応援してます。飲食業20年。銀座バーテンダー→SSI公認唎酒師→全国梅酒品評会の評議委員→日本酒テイスターのプロ酒匠(さかしょう)として接客実績を積む→退職→現在は、飲食事業・日本酒についての情報発信・ブロガー初心者・美味しい食べ物を五感で愛でる毎日