【飲食店へのお願い】ビール洗浄とメンテナンスが美味しい生ビールを作るんです【重要】

今回の記事の内容

飲食業界で働く全てのスタッフへ。そして、ビールサーバーを設置店の皆様に向けた話です。

適切な生ビール提供方法と、生樽を管理する方法を解説します。

私は現在、日本酒のプロテイスターとして活動していますが、飲食業界で20年間活動しており、日本酒より多くビールを注ぎ・提供してきた実績があります。

 

こんにちは忍aitojyunetuです。

美味しいビールの特徴ってなんだと思いますか?

1.美味しい生ビールの特徴を確認する

結論から言うと、「ビールサーバー・生樽をいかに適切に管理できるか」です。

 

何故ビールサーバー及び生樽の管理をするのか

賞味期限があることを知る

生ビールは刺身や果物と同じ生鮮食品であり、賞味期限があるという点です。

ちなみに、以前私が働いていた飲食店では、生樽は1樽以上、毎日空いてました。

と言う事は、お客様は毎日新鮮な生ビール飲めていた、ともとれます。

 

生ビールは傷みやすい

しかし、新鮮な生ビールを提供するには、自店舗にあるビールサーバーのメンテナンスと生樽を適切に管理出来たからこそ、クレームもなく、美味しい生ビールが提供されたのです。

ではどの様に管理・運用したら、美味しい生ビールを提供できるのでしょうか。

以下から確認できます。

1-1.ビールグラスと「ビールの気泡」を確認する

1-.泡の密度を確認する

1-.ビールの香りを確認する

上記の3つを深堀していきます。

 

.ビールグラスに付いた「生ビールの泡」で確認出来ること


ビールから湧く炭酸の「気泡の大きさ」に注目してください

粒が細かいほどグラスが綺麗に洗浄されている証拠です。

グラスに付着している気泡が多いほど、残念ながら洗浄しきれていないグラスになります。

この様にならないためにも、グラスはしっりと汚れを落とし、乾燥させ綺麗な状態にする必要があります。

 

グラスに付いたいた泡にも注目です

綺麗なグラスに注いだグラスは輪の様な模様の泡がつきます。

それが綺麗なグラスの証拠になります。

 

.泡の密度を確認する


■「泡の密度」で注ぎ手のレベルが分かる

生ビールを上手に注げるスタッフは、泡のきめ細かさに気を使っています。

いい加減に泡を作るスタッフは、いきなりグラスの底からビールを注ぎます。

コツは最初から泡を作りすぎないことです。

その為には正しいビールの注ぎ方が必要になってきます。

 

正しいのビールの注ぎ方

・1度注ぎ

・2度注ぎ

・3度注ぎ

一般的な方法は上記の3つですが、オススメは断然1度注ぎです。

2度3度注ぎは時間がかかるし、居酒屋やレストランの様に「直ぐに提供して当たり前の店舗」向きではないからです。

1度注ぎをし、炭酸が抜けないよう、泡を乗せて完成です。

この方がビールを上手に注げますし、注ぎ方のレベルを上げる効率的な方法です。

 

香りでビールの品質が分かる

ビールの様な醸造酒は、管理が不十分なほど時間の経過によって香りが変化し、劣化します。

樽内で温度が上昇したり、発酵しすぎた劣化したビールは「生乾きの衣類」の様な雑臭(ざっしゅう)を放ち、「すっぱい」味わいがします。

また、最近流行の「フルーティな香り」がするタイプのビールは、熟した果実の様に、異様に香りが高くなります。

 

劣化した生ビールを実際につくってみる

 

劣化した香味って言われてもいまいちピンとこないな・・

たしかに、どんな劣化した香りなのかを覚えないと見分けがつかないですよね。

そんな時は、ビールをグラスに注ぎ、ラップをして高温多湿の部屋で半日以上置いてみてください。

劣化臭生ビールの出来上がりです。

 

■サイレントクレームが一番怖い話

サイレントクレームとは、言葉に出さないが、心に不満を抱えてしまう事です。

クレームされる側に「言いたくてもタイミングが見つからない」「伝えても意味がない」と思わせる雰囲気があるからです。

飲食店にとって改善点するタイミングが気がつかない事が多いので、営業中は常にお客様へアンテナを張る必要があります。

 

 

もし、飲食店でまずいビールに出会ってしまったら

飲食店で、「生ビールがまずかった」そんな場合、飲食店スタッフに報告する方ってほとんどいないのではないでしょうか。

もし、飲食店で出会ってしまった場合、しっかりと味わいの旨をスタッフに伝えてください。

新しい生ビールと交換できるはずです。

 

 

「勘違いかもしれないし、まぁいいか」でも飲食店は無視できない理由

お客様の不満をその場で解消できないと、お客様が離れる原因になります。

お店として対策が出来ないからです。

もし、生ビールが残されていたら「美味しくなかったのかな?」などと常に疑問を持ってみてください。

何か残すキッカケがあったはずです。

 

 

■もしも生樽が売れなかったとしたら

集客の関係上、売れなければ瓶ビールにするという選択肢もアリです。

一週間以上生樽が捌けなければ、引き取ってもらうしかないでしょう

捌けられるだけのリッター値に変更するべきです。

また、生ビールサーバーを管理・メンテできなければ、瓶ビールに変更することをオススメします。

くすんだ色のビールには要注意

生ビールは非加熱なので、ビールを高温の様な場所に放置すると、味わいが変化します。「くすんだ色」になる場合があります。

澄んでいない濁った状態のビールが出てきたときはアウトです。

ビールの品質を疑った方が良いでしょう。

 

2.生ビールの管理・提供方法を確認する


■生ビールを取り扱う全スタッフの方へ

生ビールの取り扱いに関するマニュアル全て、一読すべきです。

以前の職場では、ほとんどのホールスタッフが生ビール注ぐ事ができ、ほとんどのスタッフが洗浄・メンテナンス方法を知りませんでした。

なぜなら、習っていなかったからです。

店舗としての責任ではありますが、はたしてまともな生ビールを作る環境と言えるでしょうか。

まだきちんと対応していないスタッフがいらっしゃいましたら、是非、経験者の方が未経験のスタッフに教えてあげてください。

みんなで安全管理し、美味しい生ビールを提供してはいかがでしょうか。

■生ビールは静かに注ぐと美味しくなる

・静かに注ぐコツはグラスのフチにビールを沿うように注ぐ事です。

気泡が立ちにくく炭酸が「抜けにくい」ので、フレッシュな味わいを提供することが出来ます。

きめ細かい泡を注ぐ際に必要な工程です。

グラスを立てながら注いでも問題ないですが、余分な泡を捨てることになりますし、スマートに提供できません。

 

斜めに注ぎながら、泡を注ぐ状態まで注いだところでグラスを立てるのもポイントです。


 

 

■吹きこぼれたビールは拭く

いくら忙しくても、最低限のマナーを持つべきですね。

見た目の問題もありますし、不衛生ですから。

口元や流れ落ちたビールのしずくを拭いて、綺麗な状態で提供するのがマナーです。

 

 

■グラスは適切に管理できているか確認する

具体的な確認方法は以下の通り。

・適切な温度管理・汚れ・破損がないか・しっかり洗浄できているか

上記3つとも全てクリアしましょう。

クリアできれば、安全かつ安心してビールを注ぐ事が出来ます。

美味しくビールを飲んでもらうために毎日チェックしましょう。

 

 

■グラスの向きや取っ手の向きをそろえて提供する

これはもう常識中の常識ですね。

「商品を提供する瞬間」こそ、店舗としての品格が決まるのではないでしょうか。

しかし忙しくなるとつい、無意識に置いてしまう事があるかもしれません。

そういう時は、一呼吸おいてから提供すると良いですよ。

 

 

■グラスの取っ手・下の部分を持つ

生ビールもとい、ドリンクを持って移動する際は必ずグラスの中央部分より下を持つことです。

また、自分が手にもったグラスのフチにお客様が口をつけるイメージをしてみましょう。

良い気はしませんよね。

実践していないとしたら改善すべきです。

 

 

3.ビアサーバーの洗浄方法について確認


洗浄方法についても必ずマニュアルを確認しましょう。

ビール品質を決める重要な役割です。

ビールを管理する担当者が周りのスタッフへ教えるべきです。

 

■水通し洗浄は毎日行う

毎日営業する店舗は毎日かかさず行いましょう。

お客様に美味しいビールを提供するため、1日1回を習慣化しましょう。

スポンジ通しは週一回で良いとメンテナンス業者から確認済みです。

週末休みなら、前日の営業終了後に行いましょう。

 

■注ぎ口も毎日ブラシ洗浄を欠かさず行う

水と通しとセットでやるべきです。

毎日掃除することで雑菌の繁殖を抑える効果があります。

毎日注ぎ口から出るビールを一度リセットするためにブラッシングし、綺麗な状態を保ちます。

メンテナンス業者から頂いた専用ブラシがあるはずです。

クリーンで、くすみのないビールを提供するために綺麗に掃除しましょう。

 

今回は以上になります。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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ABOUTこの記事をかいた人

にっぽんの酒と造る人そして飲食人を応援してます。飲食業20年。銀座バーテンダー→SSI公認唎酒師→全国梅酒品評会の評議委員→日本酒テイスターのプロ酒匠(さかしょう)として接客実績を積む→退職→現在は、飲食事業・日本酒についての情報発信・ブロガー初心者・美味しい食べ物を五感で愛でる毎日