【飲む前のちょっとしたコツ】日本酒が強いと感じてしまう時の解決策

今回の記事の内容

最近、日本酒を良く飲むのですが、一口飲んだだけで強いなと感じてしまいます。何か飲みやすい日本酒はあるかな?また優しい味わいの日本酒を選ぶコツはありますか?

 

この様な疑問にお答えします。

こんにちは忍aitojyunetuです。

私は唎酒師として10年間、接客業の中でお客様にさまざまな飲み方の提案をしてきました。

今回は2つのテーマで上記の質問に対して深掘りしていきます。

■今回の内容

1.醸造アルコールのなかではアルコールの高い飲み物です

2.アルコール感が強い日本酒と感じてしまった場合の回避方法

 

 

1.醸造アルコールのなかではアルコールの高い飲み物です

結論からいうと、日本酒を飲むときは「アルコールの高い飲み物」と常に意識しながら飲むことです。

日本酒のアルコール度数は15度が平均的であり、ストレートで15度のアルコールをそのまま飲む事がそもそも日本酒は強いと感じる理由です。

 

常に意識をするだけでも飲みすぎ防止になります。

日本酒を強く感じてしまう要因の一つに、日本酒にはさまざまな香味成分が含まれていることです。

酸味が多く、アルコール感ある苦味が合わせて感じられると、その分味わいも大きくなります。

甘味と苦味が強いだけでも酸味は少ないがまったりとした膨らみある味わいで強く感じることもあります。

 

 

口に含む量を調節してみましょう

日本酒を飲むとき、皆さんはどのくらいの量を口に含んでいますか。

後で触れますが、酒器の大きさで口に含む日本酒の量は変わってきます。

そして、5ml〜10ml未満くらいの量をゆっくり飲んだ方が、アルコール感を感じなくなりオススメです。

 

 

どのような酒器がアルコールの強さを感じにくくするか

ここで小さな酒器で少量注いで飲むより、カーブの大きな舌の先で少しずつ味わいを確かめるようなグラスの方がオススメのポイントです。

 

一気に喉に流し込む必要はなくなります。

しっとりと舌の上に落ち着かせたら、ゆっくりと喉奥を通りすぎるイメージで飲むと、唾液と混ざり合って強いアルコール感が和らぎますよ。

 

 

たくさん注がれた酒器での飲み方

居酒屋などで「もっきり」など、たくさん注がれた時には注意が必要です。

なぜなら、溢れそうになったお酒を急いで酒器に口をつけて飲むと、必要以上に量を口の中に入れてしまう場合が多いからです。

そしてアルコールの高い生原酒のような酒質だった場合、特に強く感じてしまいがちになります。

日本酒これは店舗側のサービス提供の方法であり、パフォーマンスとしての要素が大きいです。

一気に飲み込むのではなくゆっくりと注意を払って飲むべきと考えます。

空気と一緒に飲むと味を強く感じやすくなる場合がある

 

また、利き酒のようにズズッと空気を含みながら飲んだ経験のある方ならわかると思いますが、空気を一緒に口の中に入れるとさまざまな香味成分を感じやすくなります。

そして、口から入れた息を鼻から抜く事により、日本酒の香りがより感じやすくなります。

ゆっくりと口をつけて、口の中で転がすように少量ずつ喉奥に落とすようにすると、多少はアルコール感が軽減されますよ。

 

 

冷酒の場合ほどアルコールを強く感じやすい

冷たい日本酒ほどシャープな味わいになり、スッキリと飲みやすくなりがちなのですが、意外と口の中に入れてみるとキツイと感じることがあります。

そのような場合は「少し日本酒の温度を上げて飲んでみること」をオススメします。

これは、冷たい状態ほど甘味が細くなり、酸味と苦味を感じやすくなる特性によるものです。

飲み方としては、やや大きめの酒器を用意し、少量注ぎつつ、日本酒の温度を上げます。

 

日本酒の温度の上げ方ですが

両手の手の内側で温度を上げる方法が一番早いです

冷蔵庫から出したばかりの状態ですぐ飲む状態より、やや

また、淡麗な日本酒なほどそれは明確に現れてきます。

 

 

例えていうなら、ソフトクリームと温度の関係ですね。冷たい状態ですと甘味が適度に感じられます。

しかし、温度が上がり、溶けた状態で食べてみるとどうでしょうか。舌全体で甘味を感じやすくなっているんです。

 

この様に冷たい状態で飲んだ後に、カーッとしたアルコールを感じやすい状態になりやすいのはそのためです。

 

やっぱり「口の中で日本酒の温度を上げつつ、ゆ

冷酒をアルコールを感じにくく飲む方法

っくりと飲む事」が最善の方法です。飲んだ瞬間はアルコール感を感じやすくはなります。

しかし、口内の温度を上げることで、徐々に慣れていく感覚をつかめるようになります。

実際アルコールに弱い私が慣れましたので、実証していますよ。

 

 

2.アルコール感が強い日本酒と感じてしまった場合の回避方法

 

後半は下記のような疑問に答えていきます。

  • 以下のようなアルコール感があった!
  • ちょっと苦手だったけどどう攻略して飲めば良いかな?

 

飲食経験の中でお客様がこんなアルコール感が強い日本酒が苦手だった例から解決法を提示していきます。

 

 

アルコール感が強いと感じた日本酒の味わい例

①飲みやすい日本酒を頼んだら以外と淡麗辛口だった場合
②ビリビリとした酸味とガツンとくるアルコール感があった場合③線が細い甘味と旨味が注意でアルコール感が余韻だった場合

 

 

①飲みやすい日本酒を頼んだら以外と淡麗辛口だった場合

塩味・油分の多い料理と合わせてみましょう

この場合、やや塩味のある漬物やごま油などの油分を含んだスープや調味料を使った量を食べていただいてから①のような日本酒を飲んでみてください。

意外と抵抗のない飲み口になります。

これは、舌の上に油膜を貼ることでアルコール感を抑える働きがあります。また、脂身の多い肉料理との合わせ方にも効果を発揮しますよ。

甘味と旨味が少なく、酸味とアルコール感のある「日本酒度が高いタイプ」に多いです。

 

 

②ビリビリとした酸味とガツンとくるアルコール感があった場合

日本酒に何かを加えることでアルコール感を薄めて、強さを軽減する飲用方法があります。

例えば、カチ割り氷を入れたロックスタイル・加水し、強い抵抗感を無くしてしまう方法です。

 

氷がとけて、加水することで香りが高くなります。

そして飲み終えた時により清涼感ある風味になり、驚くほどスムーズな飲み口になります。

 

夏頃にはソーダ割り・カルピス割りなどにして甘味をたして強さを減らしたり、よりさっぱりとした飲み方が話題になりました。

これは日本酒に慣れていない方でも気軽に日本酒の強さを感じずに飲用方法の一つになります。

 

 

③線の細い甘味と酸味、膨らみのある旨味がアクセントになり、アルコール感の余韻が強かった場合

 

温めて旨味をさらにふくよかにさせる飲用方法が最適です。

このようなタイプはいわゆる「燗映え(かんばえ)する、熱燗に向くタイプとなっています。

温めることで揮発性を高め、抵抗のない、緩やかな旨味を感じやすくさせてくれます。そのため、アルコールを感じにくくさせる効果があります。

 

ただし、温度を上げすぎると、酸味が強くなる場合があります。まずはぬる燗で試していき、徐々に好みの温度に上げていく方がオススメですよ。

 

 

今回はこちらで以上です。

日本酒を始めたての方が最初から日本酒が強いと感じてしまうと、それ以降手を出しずらいですよね。

銘柄によって味わいはさまざまなです。

 

気に入った一杯を見つけるために、今回した飲み方をぜひ試してみて下さい。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

中畠 忍

ABOUTこの記事をかいた人

にっぽんの酒と造る人そして飲食人を応援してます。飲食業20年。銀座バーテンダー→SSI公認唎酒師→全国梅酒品評会の評議委員→日本酒テイスターのプロ酒匠(さかしょう)として接客実績を積む→退職→現在は、飲食事業・日本酒についての情報発信・ブロガー初心者・美味しい食べ物を五感で愛でる毎日