【初級】日本酒の味を表現するためのコツをつかもう!【飲食スタッフ向け】

今回の記事の内容

こんにちは忍(@aitojyounetu)です。

今回は日本酒をサービスするスタッフ向けの内容になります!

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・お客様から「どんな味の日本酒ですか」と聞かれたときすぐに返事が出来なかった。

こんな時、どう説明すれば良いんだろう・・。

・日本酒の情報を覚えたいけど、日本酒のメニューが多すぎて覚えにくい。どのように覚えればいいですか。

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このような疑問にお答えします。

私は約10年ほど利き酒師として飲食店にて働いてきました。

今回は上記のような経験から、本格的な実践方法とともに解説します。

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1.日本酒の味を表現する方法

本格的なセールストークはいらない

まずはじめに知って欲しいことがあります。

日本酒を説明するとき、必ずしも事細かに伝える必要はない、ということです。

なぜなら”お客様に簡潔に説明し、理解し注文して頂くこと”が目的だからです。

それに長過ぎる説明は、逆にお客様が混乱してしまう原因となります。

初級編の今回は、日本酒を簡潔に説明するための手順を解説します。

 

お客様が理解出来る範囲で説明する

例えばお客様から「この日本酒ってどんな味ですか?」と質問されたとします。

丁寧な吟醸造りが信条の酒蔵の日本酒です。口に含んだ瞬間柔らかな口当たりで、甘味と酸味のバランスが非常に優れています。香りはそれほど高くないので食事の邪魔をしません。5℃くらいの涼冷えが最適です。前菜は~・・・

このような「総評」はメニューに書いておけば問題ないですよね。

一度に多くを解説しても、理解しにくいです。飲んだことがない日本酒ならなおさらです。

説明する機会があるとするなら、例えば高級レストランなど、ゆったりと説明できる環境にあるような飲食店などが望ましい。

最小限で働いているような飲食店であれば、もっと短くまとめて説明する必要があります。

肝心なのは「どんな日本酒か?をシンプルにセールストークする事」です。

 

 

日本酒の味を一言でまとめる「ティスティング・ワード」

では具体的かつシンプルに表現するには、どうしたら良いのでしょうか。

下記のように一言まとめると便利です。

1.さっぱり

2.すっきり

3.まったり

4.こってり

上記の4つのキーワードは、実際に私がお客様に対して日本酒を提案する際に使っていた【ティスティング・ワード】です。

1,2種類しか日本酒をおいてない店舗であれば、銘柄や味わいを覚えるのは楽です。

しかし、たくさんあると大変ですよね。

なので、【日本酒の味わいを大まかに分類してしまおう!】というワケです。

これらはあくまで私の表現です。

他にも以下のような【ティスティング・ワード】もあります。

辛口~甘口

DRY~SWEET

淡麗~濃醇

香り低い~香り高い

余韻短い~余韻長い

このように、自分にしっくりくるワードを探して分類してみると、お客様に説明しやすくなります。

 

日本酒をタイプ別分類する

次に【ティスティング・ワード】に沿って、どんな日本酒が当てはまるのかを定義していきます。

1.さっぱりした味わいの日本酒

2.すっきりした味わいの日本酒

3.まったりした味わいの日本酒

4.こってりした味わいの日本酒

このような感じになります。

次にドリンクメニューから日本酒の銘柄を分類していきます。

最後に1~4の中からお客様好みの日本酒を提案します。

 

【ティスティング・ワード】の中から日本酒を紹介する

お客様から「今日初めて来たんだけど、何かオススメの日本酒ってある?」

良く聞かれる質問です。

そんなとき、お客様には下記のように説明することができます。

「さっぱり、すっきり、まったり、こってり」「これら4つの言葉には、味わいの濃さや複雑さの程度を表しています。お客様が今飲んでみたい味わいを選んでいただけたら、オススメを紹介できますよ。」

このように冒頭で説明します。

あとは【ティスティング・ワード】から選んだ日本酒をお客様に紹介すればOkです。

シンプルな味わいが好みなら1と2をオススメし、より複雑な味わいが好きなら3と4をオススメすればOk。テイスティング・ワードに沿ってメニュー内の日本酒を分類しているので、後はお客様に味わって頂くのみです。

こんな感じで段階を踏みつつ日本酒を紹介すれば、お客様は好きな日本酒を選ぶ確率が高くなります。

結果、満足のいくオーダーを頂けるようになります。

ぜひ、試してみてください。

 

 

2.納得してオーダーを頂くための準備をする

【テイスティング・ワード】を具体化してみよう

最後に、メニュー内の日本酒をタイプ別分類する方法を解説します。

事前に振り分けすることで、営業中お客様に提案しやすくなります。

具体的に書くと以下の通り。

シンプルな味わいから複雑な味わいへと順序を変えて表記します。

1.さっぱり =  十水 特別純米、越乃景虎 本醸造、浦霞 辛口純米

2.すっきり = 新政 エクリュ、王祿 超辛純米、ばくれん 吟醸、獺祭 純米大吟醸50

3.まったり = 三芳菊 特別純米 阿波山田錦、花浴 純米吟醸 直汲み 、一ノ蔵 ひめぜん

4.こってり = 白菊 大吟醸、神亀 純米、美冨久 山廃純米 

左よりなほどシンプルな味わい、右よりなほど複雑な味わいを表記できました。

1.さっぱり =  1越乃景虎 本醸造、2浦霞 辛口純米、3十水 特別純米

2.すっきり = 1ばくれん 吟醸、2王祿 超辛純米、3新政 エクリュ、4獺祭 純米大吟醸50

3.まったり = 1一ノ蔵 ひめぜん、2花浴 純米吟醸 直汲み 、3三芳菊 特別純米 阿波山田錦

4.こってり = 1神亀 純米、2白菊 大吟醸、3美冨久 山廃純米 

シンプル←←←←←←←←←←←←←←←←味わい→→→→→→→→→→→→→→→→→→複雑

このように表現することでお客様もより分かりやすく選ぶことができるでしょう。

メニュー内にはさまざまな味わいのタイプがあるときは、提供したい日本酒を分類してしまいます。

そうすることで、スムーズな日本酒提案をすることが出来るようになります。

 


もしこういったテイスティング・ワードを作る事が苦手な方は、下記をご覧ください。

SSI(日本酒サービス研究会)が提唱しています、日本酒をタイプ別に分類する方法です。

【日本酒を分類しよう】本当に美味しい日本酒を探すためのコツを解説! | 中畠忍のブログ (aitojyounetu.com)

 

 

 

セールストークは一言でシンプルに

下記はタイプ別分類ごとの日本酒のセールストーク例です。

1.さっぱり =  さっぱりした口当たり、キレのある辛口。

2.すっきり = 柔らかな口当たり、すっきりとした酸味。

3.まったり =  まったりとした口当たり、甘酸っぱくて優しい味わい。

4.こってり = こってり濃醇な旨味、キレのある酸味。

日本酒の香味表現にはさまざまな味の要素が含まれていています。

しかし細部まで説明してしまうと、話が長くなってしまいます。

接客時間が長いと、逆にお客様がストレスを与えてしまいかねません。

シンプルなセールストークは分かりやすく、オーダー率が上がるようになります。

 

ポイント:「セールストーク」は「テイスティング・ワード」+「シンプルな表現」でまとめる。

 

 

3.味の違いをわかりやすく伝えよう

 五味+余韻

味の’強弱の表現’と同じように、五味にも注目します。

よりお客様が理解しやすくなり、ご注文いただける確率も上がります。

・甘い 

・旨い

・辛い

・苦い

・渋い

さらに飲んだ後の余韻を書き足すと効果的です。

 

・余韻は”短いor長い”で表現します

 

そして完成したセールストークが下記。

例:さっぱりとした甘さが特徴の、余韻の短い味わいです。

いかがでしょう。全体的な味わい・余韻を表現することで、より具体的になりました。

このように、メニュー内の日本酒を五味と余韻を加えて表現することで、

より日本酒の持つ味の具体化を実現できるようになります。

 

 

ポイントを絞って伝える

常に店内が忙しく、満足にお客様対応出来ない。

そんな時はポイントを絞って1つでも良いので的確にお伝えすることです。

オススメは下記の3つ。

・味わいの強弱

・具体的な味わい

・余韻・料理との相性 etc..

ただし、簡潔に説明するためには、日本酒を飲むシーンに合わせたセールストークが欲しい。

 

私ならこのように提案します。

・さっぱりとした軽い口当たりで一杯目に最適です。

余韻が短くキレのあるすっきり辛口タイプです。揚げ物と合いますよ。

まったりとした甘味と酸味が絶妙なバランスの味わいです。食後にどうぞ。・こってりとした旨味が特徴です。熱燗にどうぞ。

「味わいの強弱」を交えたセールストークがあるとさらに具体性が増します。

なぜなら次のオーダーの時、味の比較をしてすることが出来るから。

 

次のオーダー時、同じテーブルのお客様には以下のようなセールストークで対応します。

・その日本酒はわりとスッキリしてましたので、次はやや複雑なタイプはいかがですか。

・やや落ち着いた味わいが好みなら、同じようなまったりタイプの~はいかがですか。

・料理の味わいを邪魔しない、または華やかさのあるすっきりタイプの~や~はいかがですか。

このように、日本酒のどんな部分をピックアップすべきなのかを考えて欲しいです。

こういったやりとりを行っていけば、やがて特に迷うことなくスッと提案できるようになります。

 


今回はこれで以上です。

日本酒についてセールストークする場合、高度な日本酒の知識はあまり必要ありません。

シンプルで迅速な接客を出来るかがポイントですから。

さらに分かりやすい説明がは、客様の満足度UPのカギにもなります。

「次はどんな日本酒があるのかな」「次は何を飲もうかな」

こんな感情を引き出すことができたら、きっと追加オーダーにつながります。

一杯でも多くの日本酒をご注文頂けるよう、応援しています!

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

中畠 忍

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ABOUTこの記事をかいた人

にっぽんの酒と造る人そして飲食人を応援してます。飲食業20年。銀座バーテンダー→SSI公認唎酒師→全国梅酒品評会の評議委員→日本酒テイスターのプロ酒匠(さかしょう)として接客実績を積む→退職→現在は、飲食事業・日本酒についての情報発信・ブロガー初心者・美味しい食べ物を五感で愛でる毎日