お酒の勉強って何から始めてどうやって理解すれば良いのか。
そんな方へ、お酒の勉強には欠かせない基礎知識にを覚える方法を解説していきます。
こんちには忍です。
利き酒師として10年ほど飲食業界で日本酒を販売してきました。
利き酒師は酒類全般において理解する必要があるんですよ。
私が合格した受験対策を交えていきます。
今回の記事の内容
酒類を根本から理解しましょう
お酒の勉強やきき酒師の勉強をするにあたり、まず下記の3つの言葉を覚える必要があります。
1.醸造酒(じょうぞうしゅ) 2.蒸留酒(じょうりゅうしゅ) 3.混成(こんせいしゅ)
日本にのみならず、世界で共通している酒類の分類は上記のとおり。
詳細は下記をご覧下さい。
醸造酒・・・ビール、ワイン、日本酒が日本における主な酒類となります。 蒸留酒・・・日本のお酒に当てはめると、ウイスキー、焼酎になります。 混成酒・・・梅酒・リキュール・屠蘇(とそ)になります。
ポイント
意外とご存じない方もいるかもしれませんが、実はみりん、甘味果実酒、合成清酒も混成酒に含まれます。
日本に限らず、世界で共通している酒類の分類は上記のようになるからです。
また、飲食業・サービス業では、お酒の質問をされた時、一般消費者の方に説明する場合も、まずは3つのカテゴリーから様々な要素を考え、アドバイスする必要があるのです。
また、利き酒師のテストでは、原料や様々な製造方法の違いで造られる「お酒の名前」が出題されます。
ひと通り覚えて下さいね!
酒類名の覚え方
日本の酒類に関わらず、様々な製法による酒類の名前を覚える必要がありますので、かなりの勉強、そして時間が必要になるでしょう。
原料別で酒類名数を確認しただけでもざっと50種類以上あります。しっかりと時間をかけて覚える事をおすすめします…。
日本酒!やウィスキー!という単語を覚えるだけではきっとテストに出た時、混乱してしまうでしょう。
何故なら、全ての酒類を飲んでいるわけではないからです。
かと言って全種類飲めば良いと言うわけではないです、
では、的確に覚えるには、どうすれば良いのか、下記をご覧ください。
種類をさらに分解して覚える
例えば「ビール」を覚えるのなら、
①醸造酒→②デンプン→③ビール(麦)
①どんな製造方法なのか→②主な原料はなにか→③名前の順に覚えましょう
商品名との関連性を覚えることで、忘れにくいという点があります。
■ 主な原料一覧を確認する
酒類には下記の様な原料が使われています。
酒類名を覚える為にも大切なので、必ず覚えておきましょう。
酒類に使用される原料一覧のパターン
醸造酒には、基本的な4パターンの製造方法がある事が分かります。
⑴醸造酒⇒デンプン⇒ビール、日本酒(純米酒、米) ⑵醸造酒⇒糖類⇒果実⇒シードルorワイン ⑶醸造酒⇒糖類⇒糖蜜(とうみつ) ⑷醸造酒⇒その他⇒馬乳
4パターンの中でも糖類を使用した製造方法は2パターンあり、使用する原材料が果実と糖蜜に分かれている。
例えば⑴にはビール、日本酒があてはまります。
⑵にはワインですね。果実というのはもちろんブドウの事です。
ちなみに⑶にはミード(ハチミツ酒)があてはまります。
蒸留酒には、基本的な5パターンの製造方法がある事が分かります。
⑴蒸留酒⇒デンプン⇒穀類⇒ウィスキー全般、ジン、焼酎、など ⑵蒸留酒⇒デンプン⇒その他⇒テキーラ など ⑶蒸留酒⇒糖類⇒果実⇒コニャック、カルヴァドス、キルッシュワッサー など ⑷蒸留酒⇒糖類⇒糖蜜⇒ラム、ビンガ ⑸蒸留酒⇒糖類⇒その他⇒アラック、ランバノグ
⑴にはウィスキーや焼酎、最近日本でも人気の「ジン」があてはまります。
*⑴には注意が必要です。
何故かというと本来、⑷にあてはまるはずの糖蜜で造られた「黒糖焼酎」も分類されるからです。
黒糖焼酎には、サトウキビの他に、米麹も原料として使用されるので、⑴に分類されるのです。
利き酒師のテストに出た場合には注意が必要です。
「その他」には竜舌蘭(りゅうぜつらん)という植物から出来ている「テキーラ」があてはまります。
混成酒には、基本的な4パターンの製造方法がある事が分かります。
⑴混成酒→香草・薬草系 ⑵混成酒→果実系 ⑶混成酒→種子系 ⑷混成酒→その他
*きき酒師の試験では、リキュールに関する問題がありますので、醸造酒や蒸留酒と同じように覚えておいた方が良いでしょう。
私が受験した時に、しっかりと問題が出ていました。
繰り返しですが、原料→名前という順番で名前を確認・覚えるようにして下さい。
酒類の語源や歴史を覚える
商品名の由来や様々な物語を、お客様に伝えることで、ビジネスに生かせます。
商品特性を知っている人の方が、商品管理を確実に出来ますし、安心感が違いますよね。
また、きき酒師のテストに出た時に、商品名の由来から覚えた方がひらめき易いです。
各飲料の製造方法を覚える
特に覚えて欲しいポイントがあります。
混成酒(リキュール)の製造法
①蒸留法(じょうりゅうほう) ②浸漬法(しんせきほう) ③エッセンス法
①蒸留法
(製造済みの)蒸留酒に漬け込む→もう一度蒸留→味・香りの成分のみを残す→着色・香味の調整→仕上げをする方法。
②浸漬法
(製造済みの)蒸留酒に主原料を漬け込む→そのまま漬け込んだ状態から味わいや香りを抽出する方法。
③エッセンス法
(製造済みの)蒸留酒とは別の抽出した香・味わい成分を添加する方法。
食品・飲料の分類方法と商品特性を覚える
勉強すべき具体的な飲料
・日本酒 ・ワイン ・ビール ・焼酎 ・ウィスキー・ブランデー ・スピリッツ類 ・リキュール類 ・中国酒 ・コーヒー・茶(ティー)
こんなに全て覚えきれない・・・
分かります。なので、少しづつ覚えていけば良いです。
職種によりますが、やはり飲料系の会社で働いている方、スーパーなどで飲料コーナーを担当される方などはしっかりと覚えるべき分野ですよね。
上記は全て市場で売られている商品です。
一般の消費者が購入する商品特性を、販売する側は理解する必要がありますね。
上記に関する商品特性のカテゴリーは下記の4つ。
①原料、製造、表示・・・どんな原料で、どのような製造方法・ラベルにはどの様な事が記載されているか ②香味に関して・・・どんな特性があるか など ③飲用形態・・・どの様なメリット、デメリットがあるか。どんな温度帯で飲用するか、どんな器を使用するか など ④文化面・・・どんな歴史があるのか。どの様な文化を持った飲料なのか など
ポイント
他の飲料と比べてどの様な特性に秀でているのか、特徴を良く掴んでおきましょう。
食品の基礎知識を把握する
チーズ🧀
テスト対策として、大まかなチーズの名称、チーズのタイプとタイプ別のチーズ名が合う様に覚えます。
また、日本酒を勉強する時にも非常に役立つでしょう。
発酵食品であるチーズは、様々なシーンに役立つからです。
プライベートで楽しむ時のペアリング、レストラン利用時に楽しみがきっと増えるでしょう。
・チーズを知る
チーズには主に2種類あります。
①プロセスチーズ ②ナチュラルチーズ
①プロセスチーズ
ナチュラルチーズを溶かす→乳化剤で乳化→乳化したチーズの総称
②ナチュラルチーズ
ナチュラルチーズは3タイプに分類されます。
②-1 軟質(なんしつ)チーズ ②-2 半硬質(はんこうしつ)チーズ ②-3 硬質(こうしつ)チーズ
②-1 軟質チーズ
熟成タイプ・非熟成タイプに分かれる
②-2 半硬質チーズ
カビによる熟成・細菌による熟成に分かれる
②-3 硬質チーズ
細菌を使った熟成が主流
名前の通り左から右につれて硬質が強くなります。
軟質チーズ<半硬質チーズ<硬質チーズ
ナチュラルチーズのタイプ別分類
こちらも分類ごとに考え、チーズの種類を確認しておきましょう。
ナチュラルチーズには、基本的な7パターンの製造方法がある事が分かるります。
⑴ナチュラルチーズ→軟質チーズ→熟成させない→フレッシュタイプ ⑵ナチュラルチーズ→軟質チーズ→熟成させる→カビ熟成→白カビタイプ ⑶ナチュラルチーズ→軟質チーズ→熟成させる→細菌熟成→ウォッシュタイプ ⑷ナチュラルチーズ→軟質チーズ→熟成させる→ヤギ乳熟成→シェーブルタイプ
⑸ナチュラルチーズ→軟質チーズ→熟成させる→カビ熟成→青カビタイプ
⑹-⑴ナチュラルチーズ→半硬質チーズ→熟成させる→カビ熟成→青カビタイプ ⑹-⑵ナチュラルチーズ→半硬質チーズ→熟成させる→細菌熟成→セミハードタイプ ⑺ナチュラルチーズ→硬質チーズ→熟成させる→細菌熟成→ハードタイプ
*上記のタイプはフランス🇫🇷チーズの場合となっています。
その他
・シガー
確認ポイント
・喫煙用と非喫煙用の分類・吸い方の分類を確認。
・シガー分類・商品特性を確認
お酒の勉強には欠かせない基礎知識を覚える方法 まとめ
お酒の知識を取り入れるには、まずは根本の基礎から覚える必要があるのではないでしょうか。
普段、私達が飲んでいる飲料もなにかしらの原材料で出来ています。
身の回りの飲料・食品を見直したとき、色々な発見が出てくると思うんです。
正しい基礎知識をつけて、色々紹介できるプロのアドバイザーになってはいかがでしょうか。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
中畠 忍