【簡単に理解できる】唎酒師(ききさけし)が使っている日本酒の表現方法【味わい】

飲みながら確認できる日本酒の味わい表付きブログ

今回の記事の内容

利き酒師が実際に使っている具体的な味わいの表現方法を解説します。

日本酒をテイスティングするときのポイント・そして利き酒師の試験の合格に向けて執筆しました。

 

こんにちは忍(@aitojyounetu)です。

今回の内容は「味わいの表現方法をいかに文字数を多く書く練習方法」について記述しました

なぜなら、味わいの表現は、きき酒師の資格を取得した後に1番多く使います。

自分の勉強にもなりますし、他の方に日本酒を説明するとき、非常に有効な手段となります。

初めてテイスティングする時には難しく、うまく表現しづらいかもしれません。しかし、テイスティングを重ねるにつれて上達していくものです。

 

試験の内容は加点方式による記述式となっています。

試験前に言葉の表現についてしっかり勉強し、より多くの言葉を引き出せるようにしましょう。

 

本記事の内容

香味特性の4タイプ分類をはっきりさせる

日本酒の個性の抽出をするコツ

味わいの具体例 用語集

 

1、香味特性の4タイプ分類をはっきりさせる


香りから4タイプを判断推測する

香りの4タイプ分類についてはこちらの記事を参考にしてください。

利き酒師のテキスト「日本酒の基」(にほんしゅのもとい)を持っている方は、特に日本酒アロマホイールの具体的な果実や鼻などの分類と味の種類を確認しておきましょう。

 

この香りの表現に慣れてくると自然と味わいについても予測することができるようになります。

甘味の成分が強ければ薫酒。香りが低く原料のほのかな香りが感じられるのであれば爽酒になります。

 

このような感じで4タイプのイメージをつけるクセをつけられるようになります。

このようなトレーニングは経験した数で香りを判断する精度が上がります。普段から日本酒を飲む際に意識しましょう。

 

 

主体となる香りの表現をする


香りの表現についてもこちらの記事を参考にしてください。特に主体となる香りについては香りの具体例から連想される言葉を選びましょう。

具体例と主体となる香の関連性がなければ正確なテイスティングとはなりません。

甘い要素の具体例があればそれがどういう甘さなのかを形容します。また、香りが低いと判断したならば、甘い要素の果実はどのような香りの低い果実なのか書き出します。

 

 

具体的な味わいと含み香を書き出す


具体的な味わい

まずは最初に感じた味わいを記入しましょう。

甘味

酸味

旨味

苦味

具体的には最初に感じた味わい中間最後までどの様な味わいが残ったかここがポイントです

最後は余韻の長さを書き出します。

・含み香は香りの高さと比較し、低い〜高いを判断します。

比較する事で、高さの基準の判断をつける事が出来ます。グラスから香る香りよりも高ければ高い。同じような香りの強さであれば中程度といった具合です。

 

 

2、日本酒の個性の抽出をするコツ


個性は香り、テクスチャーを中心に表現する

日本酒の基今外観の要素も含まれます。よほど熟成した琥珀色のような外観以外は香りとテクスチャーを中心に表現しましょう。

 

あくまでも品質の評価から言葉を拾いまとめページのような感覚で作成します。品質の評価の欄から言葉は重複しても構いません。テイスティングした日本酒をお客様に説明した時に分かりやすい表現で理解してもらえるか?を念頭に書いてみてください。

 

■4タイプの分類に迷ったら留意点に書いた味わいから判断する

お酒の持つ個性は人それぞれメリットにもデメリットにもなります。

個性から逆算すると、4タイプ分類のどれかに当てはまるであろうポイントを見つける事が出来ます。

 

留意点から読み取った味わいから考察し、4タイプ分類を決めた例

1:香り・味わい共に弱く、強い酸味がある。だから爽酒を選択した。

2:バター・生クリーム・ヨーグルト・キノコの様な香りでとても複雑な味わい。フルーティな日本酒が好きな方には合わないかも。だから醇酒を選択した。

 

3:香りはフルーティでかつ甘味が中程度以上あり、テクスチャーはさらりとしているな。しかも、しっかりとした味わいのある醇酒ではないな。だから薫酒を選択した。

 

上記の様な方法で確認するとスムーズな利き酒の練習・試験回答ができるようになります。

 

 

テイスティングの手法については参考書を必ず熟読しておくこと

多分ですが1週間前になって忘れないように集中して勉強しようと思っている方もいらっしゃるかもしれません。知識を詰め込むだけならいいかもしれません。

 

しかし、テイスティングに関しては、日々の中でどの程度まで日本酒の分析をしてきたかで言葉の種類・スピードが変わってきます。

 

私は飲食店で働きながら日本酒を飲みつつ、参考書(テキスト)を職場まで持っていきつつ、営業終了後に勉強をさせてもらっていました。(とはいえ10分ほどです)

 

何をしていたか、まさにテイスティングのテキスト通りに順番づつテイスティングです。コツはタイプの違う日本酒を2種類用意し、平行テイスティングする事で味わいの違いを簡単に確認出来ます。

 

ここまでのまとめ

テイスティングのポイントの記述の部分を覚えておくこと

少し長いですが、ポイントを把握しておくだけで、テイスティング能力がUPします。

以下のポイントを確認しつつテイスティングを開始してみましょう。

 

テイスティングを行う際の条件

・五感を使用した分析作業であること

・公平性を保ち、客観的な目線で分かりやすい言葉で伝えられること

 

テイスティングの目的

・香味特性の正しい判断をする事

・個性を生かしつつ、有益な提供方法を明示すること

 

テイスティングする際に最適なグラス

・国際規格のテイスティンググラスを使用する事

 

正確な品質の評価をするためにする事

・日本酒をテイスティングノートに書きつつ、自分の言葉でテイスティングコメントをより多く作成する事です。

 

個性を抽出するポイント

・セールスポイントは香り、テクスチャーから中心に書く。外観はにごり、濃い色合いのタイプに着目しましょう。

・個性=メリット,デメリットに着目する

4タイプ分類時にはデメリットにも着目すると分類しやすい

 

適正価格について

適正価格(品質と価格バランス)を見極める事が唎酒師としての重要な仕事の一つと認識する

 

重要【味わいの具体例 用語集】


下記の用語を覚えておくことで、日本酒に限らず全てのお酒がテイスティング表現に通じます。とても便利なので覚えてみてはいかがでしょうか。

また、きき酒師の試験にももちろん使用できます。確認しながらぜひ勉強してみてください。

 

テクスチャーの表現は統一しましょう。

ある日本酒はテクスチャーと表現しているのに対し、もう一方は飲み口と書いてあることがあります。

テクスチャー飲み口口当たり すべて同じ表現です 

テクスチャーの具体例

シンプルな

コンパクトな

シャープな

サラサラした

ニュートラルな

さらりとした

みずみずしい

引き締まった

きめの細かい

キリリとした

スカッとした

抵抗のない

スムーズな

衣のような

綿密な

角のない

滑りの良い

艶やかな

丸みのある

柔らかな

なめらかな

まろやかな

まったりとした

練れた

穏やかな

膨らみのある

とろりとした

濃密な

力強い

ボリューム感のある

 

 

甘味の具体例

弱い

さらりとした

すっきりとした

軽やかな

爽やかな

きめの細かい

ほんのりとした

なめらかな

まろやかな

優しい

落ち着いた

柔らかな

濃密なとろりとした

膨らみのある

艶やかな

角のない

強い

このように表現します。

 

酸味の具体例

弱い

クリーンな

軽快な

シャープな(鋭い)

すっきりとした

さらりとした

フレッシュな

爽やかな

清涼な

きめの細かい

みずみずしい

冴えた

鮮やかな

キリッとした

キレの良い

角のない

綿密な

練れた

芳醇な

引き締まった

強い

刺激的要素の強い

重厚な

このように表現します。

 

苦味の具体例

弱い

すっきりした

さっぱりした

サラサラした

軽快な

清々しい

清涼な

冴えた

キレの良い

柔らかな

スパイスのような

ハーブのような

根菜類のような

ミネラルのような

角のない

膨らみのある

芳醇な

きりりとした

きめの細かい

厚みのある

強い

刺激の強い

このように表現します。

 

旨味の具体例

弱い

線の細い

軽快な

繊細な

ニュートラルな

シンプルな

和やかな

ソフトな

柔らかい

スムーズな

伸びのある

マイルドな

まろやかな

なめらかな

芳醇な

存在感のある

充実した

コクのある

練れた

しっかりした

膨らみのある

ボリューム感のある

深みのある

厚みのある

強い

力強い

含み香(ふくみか)の具体例

強い(高い)

弱い(低い)

(果実、花、穀物に例える)のような

このように表現します。

 

余韻の具体例

短い

長い

もしくは

(甘味、酸味、旨味、苦味などの)味わいが

短い

やや短い

中程度

やや長い

長い

このように表現します。

 

今回は以上になります。

直近ですと9月21日に利き酒師のテストがあります。合格に向けて頑張ってください。応援してます。

 

ここまで読みくださいまして有り難うございました。

中畠忍

 

ABOUTこの記事をかいた人

にっぽんの酒と造る人そして飲食人を応援してます。飲食業20年。銀座バーテンダー→SSI公認唎酒師→全国梅酒品評会の評議委員→日本酒テイスターのプロ酒匠(さかしょう)として接客実績を積む→退職→現在は、飲食事業・日本酒についての情報発信・ブロガー初心者・美味しい食べ物を五感で愛でる毎日