今回の記事の内容
福島県の地酒「さかえがわ」と書いて「栄川(えいせん)」と読む!
日本酒をテイスティングしました。
(この記事3分で読むことができます)
こんにちは忍(@aitojyounetu)です。
2009年より、利き酒師として約10年ほどテイスティング(試飲)を繰り返してきました。
今回は栄川(えいせん)純米酒のテイスティング結果と、日本酒ラベルの見方について解説します。
1.榮川 純米酒をテイスティング
栄川 純米酒 テイスティングノート
外観:清澄であり健全
色合い:やや黄色がかった色沢
香り:うわ立ち香(グラスから直接嗅いだ香り)は香り低く、穏やかな原料の旨味を思わせる香りが主体的。
具体的な香り:生クリーム、ビスケット、酸味がやや菜類のよう。白菜。
香りの複雑性:ややシンプル
具体的な味わい:角のない、まろやかなテクスチャー(飲み口)。弱くて優しい甘味。清涼で線の細い酸味。スッキリした苦味。やわらかな旨味
味わいの複雑性:中程度
余韻:中程度。喉越しに感じた線の細い酸味が、旨味と一緒に引いていくよう。
この日本酒の個性:優しい甘味と柔らかな旨味。あっさりとした酸味が余韻に残ります。人によっては、旨味がしっかりと感じられると思います。インパクトは多少あるものの、やや伸びのある軽い旨味が程よく口の中にのこります。
※4タイプ分類:◎醇酒(じゅんしゅ)
醇酒というカテゴリーは、旨味を中心に感じるイメージの多いタイプをさします。
この日本酒に適した温度帯とその理由
適した温度帯:冷酒(5℃〜)ぬる燗まで(〜45℃)の温度帯が適しています。
その理由:旨味が主体となっている本品は、華冷え(0℃〜5℃)まで飲むと旨味が閉じた状態になり、もち味である旨味を感じなくさせてしまいます。また、50℃以上の温度で飲用することで酸味の角が立ち、ツンとしたワサビに似たような香りに変化し旨味の香味を崩してしまいます。
この日本酒に適した酒器とその理由
酒器:焼き物の酒器
その理由:香りのおだやかさと原料米の風味を生かした味わいから考えた結果、日本全国で造られている様々な郷土色のある焼き物が良いと判断しました。
この日本酒に合う料理とその理由
料理:湯葉豆腐(温製)柚子胡椒添え・トマトとモッツアレラチーズのハニーマヨソースサラダ・アジのオイルサーディーン・岩塩を振った焼き海老・牡蠣グラタン・ハンバーグ デミグラスソース輪切りのレモンを添えて
その理由:榮川のもつ旨味と、料理の個性ある旨味同士を合わせる。これにより相乗効果を狙います。酸味もあわせもつので、例えばソースや果実等の酸味をよりアクセントにすることで、うち消しの効果を狙うこともでき、後味をさっぱりと締めることもできます。
この日本酒に適したシーン
■自宅で毎日の晩酌用として飲用すべきと考えます。また、特定名称酒としての位置づけもあり、冠婚葬祭などでのシーンにも活用できます。そのほか、三千円以下で購入できる価格帯ということもあり、パーティなどのグループ飲用に適していると言えます。
以上のことから価格帯や味わいと考慮すると、気軽に飲める日本酒としてさまざまなシーンで気軽に飲用できる日本酒と言えます。
2.栄川の情報を見てみよう
栄川はラベルが3箇所あります。
・表面
・裏面
・中央部
※中央部には・特定名称・使用米名・使用水名が表示されている
表ラベルには日本酒の名前、そして特定名称酒名、キャッチコピー、瓶詰め日時などが記されています。
では、肝心の味わいの表記はどこに書いてあるのでしょうか。
答えはラベルの裏側にありました。
ラベル裏側から説明します
ラベル裏側には榮川の味わいが丁寧に表記されていました。
これならビギナーの方にも分かりやすい。
ひと目見て分かりやすい表記です。
この裏ラベルの特徴を書き出してみました。以下のとおり。
・純米酒の定義
・蔵元の製品に対する想い
・簡潔で分かりやすい香味の特徴
・成分の詳細(日本酒酒度、酸度、精米歩合)表記
・蔵元が奨める飲用方法
・保存方法(日光の当たらない場所、冷暗所)
・早期飲用のススメ。長期保存には向かない日本酒ということがわかる。
・飲用上の注意書き
-ラベルの裏側に購入のキッカケがあります-
いかがでしょう。実に8項目もの詳細を記載していることがわかります。
細やかな情報が記載されており、丁寧なラベル作りと言って良いでしょう
ラベル情報は購入のヒントにもなる
ラベルの情報は、初めて購入をするとき、非常に役に立つ場合があります。
どんな味わいなのか?が明確に知ることができれば、購入する確率がグンと上がるからです。
上記のラベルで良いなと思った点、それは「味のタイプ」ですね。
辛口であり、淡麗タイプと書いていることで、そのタイプを求める方が購入しやすくなります。
日本酒購入の際はラベルの裏面を見ていただき、購入のヒントになれば良いなと思います。
情報量の多い日本酒を選ぶメリット
日本酒は嗜好品です。
飲み手やシーンによって、その味わいの表現は千差万別です。
しかし、蔵元が提案する日本酒の飲み方は、私たち消費者にとって、日本酒の味わい方、飲み方の指針を与えてくれる強い味方です。造っている本人の言葉はより私たち消費者の心をつかみやすい。
もし、知らない飲んだことのない日本酒を購入するか迷ったときは、ラベルを確認するとより自分好みの日本酒かどうかが分かるはずです。
その他の情報
例えば下記のような記載項目も書いてある日本酒もあります。
・料理との相性・・どんなツマミと合わせたら美味しく飲めるのか一目瞭然
・香味の位置情報・・ひと目でみて香りの強弱、味の濃淡度がわかる
・QRコード・・さらに詳しい製品情報がリンクされている
消費者の立場からすると非常にやさしいラベル設計ですね。
自社商品をしっかりとマーケティングされているのかな?と考えます。
場合によっては、「最低限の記載情報のみ表記」している場合があるので注意が必要です
そのような場合には気軽に酒販店スタッフに問い合わせましょう。
日本酒の選び方については下記記事をごらん下さい。
もし、日本酒を購入する際に迷われた場合、ラベルの裏面を良く観察することで味わいのイメージがつきやすいと言えるでしょう。
福島県の日本酒を飲んで頂いている光景をよく目にします
この日本酒は私の地元「福島県の酒蔵」です。
現在、わたしは現在21年ほど東京に住んでいます。
こちらの東京へ住んでから地元の地酒を飲むようになりました。
離れてみないと地元の風景や、福島県の魅力についていまひとつ分かりませんでした。
ですが震災後、より地元を意識するようになりました。
そして福島の地酒を良く飲むように心がけています。
今では何とか利き酒師を通じ福島の地酒を紹介できるようになりました。
しかし飲み進めて行く中で、より日本の酒を紹介したい。
そんな想いが強くなりました。
これからもテイスティングを通じて、より有益な日本のお酒をご紹介できればと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
定価は2千円前後です。アマゾンは価格変動しますので、こちらを目安に購入すると良いでしょう。