【入手方法】プレミアム日本酒 の裏側をこっそり教えます【流通事情】

今回の記事の内容

たまに “プレミアム日本酒” という言葉を耳にします。

希少価値がある日本酒をどうやったら手に入るのかな。

あそこの飲食店はどうして有名な日本酒を揃えることができるのだろう。

このような疑問について解説します。
こんにちは忍です。
10年ほど唎酒師(ききさけし)として活動しており、イベントなどで年間100種類もの日本酒をテイスティングしています。
「プレミアム日本酒」というと、高価な、そして「入手しづらい日本酒」というイメージがあります。
インターネットや量販店、スーパーなどで「ショーケース」などに入った1万円以上の値付けされた日本酒を見たことがあります。
上記のプレミアム日本酒の定義に当てはめると、どうしても疑問が残ります。
そして私がだした答えは「プレミアムという文言に釣られたら負け」でした。

プレミアムな日本酒とは

ずばり、プレミアムな日本酒とは、「希少価値のある日本酒」という事です。
希少性の裏側には「供給量が少ない」事が大きな要因の一つです。
その他にもさまざまな要因があります

・美味しいと評判になり皆が買い求めるようになった

・取り引き先の酒販店が限定されている

・さまざまなメディアに取り上げられるようになった

・一部の転売屋と呼ばれる人々が「定価以上の値段で販
売」されている・元々プレミアム志向として販売されている

もちろん飲み手の心情から言えば「皆が高評価しているし、一度は飲んでみたい」と思うのが普通です。
初めて飲むビギナーの方にもオススメしやすい理由もわかります。
しかし人の手で造られている以上、供給量が少なければ飲むことだって難しいのは当然です。
希少価値のある「プレミアムな日本酒に釣られたら負け」とは言いましたが、やはり買ってみて飲んで判断するのもアリです。
しかし、上記のような要因を見据えた上での購入、検討をし、自分に見合った日本酒選びが大切になってきます。

定価以上で取り引きされている

「プレミアム 日本酒 」と検索インターネットで検索するとほぼ定価の倍以上の値段で取り引きされています。
理由は簡単で、高価格帯で販売している酒販店の多くは酒蔵との直取引をせず、「問屋」から流通させている現状があります。
そのために価格が高騰せざるを得ない状態になっています。
例えば私が働いてきた飲食店では、一定の日本酒を購入するとともにプレミアムな日本酒が定価で販売され、メニュー内に店頭販売されます。

営業努力の結果です

有名な日本酒が飲めるとあれば、「お客様はお店の事をより覚えていただきやすくなる」というメリットもあります。
また、酒販店としてもプレミアムな有名銘柄ばかり買ってもらうだけでは、商売は成り立ちません。
他の地酒もバランス良く購入してもらい、隠れた銘酒や季節限定酒など、美味しい日本酒を紹介しています。
これはほんの一例ではありますが、このようにして飲食店は、酒販店(ここでは特約店のことを指します)の関係を良好に保つためにお客様の見えないところでさまざまな営業努力をしています。

飲食店における「プレミアム日本酒」の立ち位置とは

プレミアム日本酒だけを販売していては、そもそも通常営業は成り立ちません。
入荷数も少なく、季節限定品も数多くあります。
また、一度に仕入れるには限度があります。
さらに一般消費者レベルになるともっと購入する頻度が落ちるという、そんな流れになっています。
では飲食店にとって、世間一般にいう「プレミアム日本酒」とはどういう存在なのか?それは、「日々の営業努力により生まれた酒販店との付き合いの結果」だと個人的に思っています。

酒販店と飲食店は表裏一体

先ほど書いた通り、インターネットで購入することも出来ます。
インターネットの情報から販売されている「特約店」を見つけ、仕入れることも可能です。
しかし、大部分の居酒屋および日本酒専門店では、酒販店からの配達で日本酒を卸してもらっているのが現状です。
もちろん個人店では買いに行くオーナーもいらっしゃるでしょう。
しかし、一見(いちげん)で売ってもらえるほど、ハードルは低くないのが現状です。
ではあえて、入手困難なプレミアム日本酒(希少酒)を購入することができるのでしょうか。
ほかの商品との抱き合わせ販売
酒販店独自のポイントを貯めて購入する権利が与えられる完全抽選販売
・ネット予約からの申し込み販売(または当選者)

縁日の目玉商品として販売

・表立って販売していないが、問い合わせで倉庫からこっそり出してきてくれる

※東京都内の場合※

「こっそり出してくれる」というよりかは、在庫がたまたまあったから、という方が正しいですね。
飲食店との契約をしている酒販店などでは、すでに前日に予め発注を受けています。
そのような酒販店では、店頭に在庫があったとしても、売れる状態ではないとだけ理解する必要があります。
また、新店舗での取り扱いで有名銘柄がある店舗はそれなりの「契約」を酒販店と取り決めしています。
このように、昔から有名銘柄を取り扱っている飲食店の背景には、同じくして信頼のおける酒販店の存在が欠かせないのです。
別記事

最近のプレミアム日本酒の事情について

真のプレミアム日本酒ともいうべき銘柄をご紹介します!

それは最初から高級路線として販売されている日本酒の事を指します。
次の世代へ受け継がれるであろう未来の日本酒とも言うべき存在です。
なぜなら、適正な原材料・確かな醸造技術・そして意識を高く見据えた日本酒として世界に打って出ているからです。
そのような真のプレミアム日本酒ともいうべき銘柄を三種類ご紹介します。
・IWC(インターナショナル・ワイン・ チャレンジ) 2019」にて実質世界一となった宮城県の酒蔵「勝山酒造」では『勝山 ダイヤモンド 暁(あかつき)純米大吟醸」が¥33,000-で販売
・精米歩合違いで販売されている獺祭が手がける『歩合非公開』の山口県の酒蔵「旭酒造」では『獺祭(だっさい) その先へ』が¥33,000-
・日本酒の情報メディアSAKETIMESのClear Incと山形県の酒蔵「楯の川酒造」がタッグを組んだ『百光(ひゃっこう)』が16,800-
※いずれ
も税込価格。2019年11月13日現在の価格となります※
プレミアム志向を世界へ発信している日本酒蔵元
ぜひとも上記リンクにあるHPにて各三社の日本酒魅力を堪能していただきたいと思います。
これからの時代は確かな情報に裏付けされた上質な味わいが、日本酒の未来を決めると言って良いでしょう。
そして、価格に惑わされない最終消費者の確かな評価が真のプレミアム日本酒として光輝くと信じています。
本記事はこちらで以上になります。

日本酒を手に入れて満足するだけの達成感は危険です

日本酒にハマっていた当時の私は、どうしてもある日本酒が欲しくなり、寝袋を持参してまで開店前の酒屋に並んでまで、有名な銘柄を求め、さまよっていたこともありました。
結果的には手に入ることはできたこともありました。
しかし、振り返るとそれはただのマニアにすぎなかったです。
インターネットが発達した現在、この様な時間を過ごさずとも情報は入り、プレミアム日本酒と言われる希少銘柄を入手することは可能です。
ですが、一部のインターネットサイトでは高騰価格として販売されている現状があります。
例えば、希少な日本酒を取り扱っている飲食店(都内の流通量は地方に比べ多いです)も増えており、消費者が納得した価格で飲む機会も増えてきました。
結局のところ、何が正しいのかはご自身が判断するほかありません。どうかご自身の目を養ってください。
これから日本酒を購入しようという方、特にビギナーの方には、適切な管理・価格にて購入の上、楽しい日本酒ライフを過ごしてもらいたいと思っています。
終わり。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

ABOUTこの記事をかいた人

にっぽんの酒と造る人そして飲食人を応援してます。飲食業20年。銀座バーテンダー→SSI公認唎酒師→全国梅酒品評会の評議委員→日本酒テイスターのプロ酒匠(さかしょう)として接客実績を積む→退職→現在は、飲食事業・日本酒についての情報発信・ブロガー初心者・美味しい食べ物を五感で愛でる毎日