こんにちは忍(@aitojyounetu)です。
飲食店での初級編にて、日本酒のセールストークについて下記にまとめました。
詳しくは記事をご覧ください。
【初級】日本酒の味を表現するためのコツをつかもう!【飲食スタッフ向け】 中畠忍のブログ (aitojyounetu.com)
前回のまとめ
・日本酒セールストークに長い説明は不要
・日本酒のテイスティング・ワードをみつける
・「テイスティング・ワード」を設定する
・日本酒をタイプ別に分類する
・「テイスティング・ワード」を具体化する
・五味+余韻を使ってセールストークを作る
・ポイントを絞ったセールストークを考える
・「味わいの強弱」を交えたセールストークを作る
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
・日本酒メニューを見て銘柄を覚えたいけど、どうやって特徴をつかめるのだろう・・。
また、おすすめ日本酒を紹介するコツも知りたい。
・日本酒が多すぎて覚えにくい。どのように覚えればいいですか。
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
今回は中級編としてこのような疑問にお答えします。
飲食店の日本酒メニューによっては、数種類~多いときでは2,30種類あったりします。
飲食店によってはジャンル別の分かりやすいメニューから、日本酒の名前だけのタイプまでさまざま。
お客様にとっては天国。でも実はスタッフにとっては覚えるのが大変だったり・・・。
そこが飲食店スタッフにとって問題です。
10年ほど日本酒に特化した飲食店勤務してきた経験から、日本酒メニューと向きあう方法を解説します。
今回の記事の内容
1.日本酒メニューを攻略しよう
香味タイプを分類する
最初にやるべき作業、それが日本酒の香味タイプを分類することです。
どんな日本酒にも「香味タイプ」が存在します。
例えば、タイプ別に分類することで日本酒のグループ分けをすることができます。
下記のブログには、グループ分けの方法があります。分かりやすいのでどの飲食店にもお使い頂けます。
【日本酒を分類しよう】本当に美味しい日本酒を探すためのコツを解説! | 中畠忍のブログ (aitojyounetu.com)
「さっぱり、すっきり、まったり、こってり」こういった香味タイプのティスティング・ワードを使って日本酒の名前を落とし込んでいく作業をします。
お客様はもちろんのこと、飲食スタッフにも分かりやすく表記できるようになります。
タイプ別の表記があると分かりやすい
タイプ別に分けて表記されていると、「より日本酒を限定し」注文することができます。
さらに、お客様もスタッフからの説明を短縮できるようになります。
例えば
さっぱりタイプなら「爽」マークをつける。
すっきりタイプなら「薫」マークをつける。
まったりタイプなら「醇」マークをつける。
こってりタイプなら「熟」マークをつける。
こんなふうに意図してタイプ別にするとより香味表現として分かりやすくなります。
ご自身の働いているメニューにひと工夫できる、最短最善の方法かと思います。
アイコンを使って統一する
例えば味わいがバラバラなメニューでも上記の方法なら簡単です。
香味タイプを一緒にすることで、簡易的にグループ分けをすることができるから。
特に「銘柄・価格のみでメニュー表記」されている場合、さらに効果的です。
しかし、何が「爽」で何が「薫」なのか分からない。そんな方へ、よりシンプルな表記もあります。
それが下記。
甘口の「甘」
辛口の「辛」
中口の「中」
濃口の「濃」
この様な表記でも良いです。
つまり、重要なのはお客様にとってその日本酒の味わいが「どういうタイプか・分かりやすく注文できるか」です。
さらにスタッフにも分かりやすい表記であれば、この上ありません。
2.日本酒ランキング作りに挑戦する
ランキング形式の日本酒メニューを作ってみた結果
大型冷蔵庫に日本酒がずらり、、注文に迷うお客様。
どうしたらお客様に対して効果的アプローチができるのでしょうか。
私が経験した最も効果的な販売方法は、既存メニューを使ったおすすめランキングを作ることでした。
ランキング形式は日本酒の「テーマ」が見えてきます。
結果、テーマに共感されたお客様からのオーダー率が上がりやすくなり、飲食スタッフ側も、オススメしやすい環境になるというわけです。
沢山ある日本酒の中からランキング形式にすることで、お客様も安心して日本酒を選ぶキッカケを作ることができるようになります。
ランキングのテーマ作り
下記の様なテーマなら飲食スタッフも覚えやすいのではないでしょうか。
1.飲みやすさランキング
2.女性(男性)に勧めたいランキング
3.熱燗おすすめランキング
4.ワイングラスで美味しいランキング
5.乾杯ランキング
6.週間(月・年)ランキング
7.特定の料理に合う日本酒ランキング
ランキングの良いところはこんな感じ。
・店側の主観で決めることができる
・スタッフの個人的なランキングでもよい
・既存メニューで十分つくることができる
・料理との組み合わせでつくることができる
・季節ごとに違ったランキングを作れる
・飲食店の強みになる
他にも季節のオススメランキングなど、仕入れる日本酒によって様々な形を変え作ることが出来ます。
このように自由なランキング形式のほうが楽しいですし、お客様の「食いつき」が違います。
また、日本酒を勉強しているスタッフにぴったり。
このように楽しみながら日本酒を覚えることで、店の料理との相性やお客様が好む日本酒の傾向も分かってきますよ。
評価・評判を活かしたランキング作り
お客様の「評価・評判」は、日本酒を様々角度から検証することが出来る最高の材料。
その声を活かしたランキング作りはその飲食店の強みです。
なぜなら、前回評判が良かった日本酒をまた推すことで、その日本酒に対する「熱量」がお客様へ伝わりやすくなるからです。
美味しかった、また飲んでみたい!等の「評価=声」を集めることで、飲食スタッフ自身も自然と商品知識を増やしていけるようになります。
お客様の意見・評価は、飲食スタッフの知識を増やせる絶好の機会です。
3.【重要】お客様からの声を聞く
商品価値に繋がる意見が付加価値を生む
私が良くお客様から聞いた言葉。それは「この日本酒を取り扱っているから通っている」「この店の日本酒はハズレがない」でした。
なぜなら評判の良い日本酒をチェックし、オーダーしやすい環境作りをしていたからです。
それではどんな「評価」を集めたら良いのか。
こんな風な声を集めてみるのはいかがでしょう。
「すっきりしていてどの料理にも合う日本酒だった」
「この日本酒が飲みやすくて美味しかった」
「この日本酒はこの料理に合っていた」
「美味しかった日本酒は~の純米酒だった」
共通するのは ”前向きな評価”です。
”お客様の生の声”を頂くことで、次にオススメする時の材料となります。
さらにお客様の評価を聞く事
が”成功体験”となり、提供して良かった!と付加価値が生まれるのです。
そんな付加価値は、自身の記憶とともに接客業としての成長に繋がるでしょう。
評価を聞く方法
時にホールスタッフは、お客様をウォッチングします。
タイミングをみて下げものをしたり、追加オーダーを伺ったりしますよね。
ここでやるべき事は、何の銘柄を飲んでいるのかテーブル・伝票をチェックすることです。
そしてお客様と話すとき「美味し(い)かったですか?」と聞くだけ。
つまり具体的にどう美味しかったか?を聞くことが出来ればOKです。
具体的に聞く
「うん、美味し(かった)いよ」、と返答されたら「どんな所が美味しい(かった)ですか?」とさらに聞きます。
つまり具体的にどう感じたか?を聞くこと
が大切なんです。
私のおすすめでしたが、いかがでした?、どんな所が飲みやすかったですか?、~どんな料理と合いましたか?、~の冷酒・熱燗はどんな味でしたか?など
上記は私がお客様へ良く質問していた内容です。
逆に美味しくなかった・イマイチなどと「マイナス」の返答が返ってきた場合、その理由も聞きます。
すると「そういうお客様には向いてないんだな」というのが分かりますから、結果的に損はしません。
意見を聞くタイミング
以下の通り。
- 追加オーダー時
- メニューを見ている時
- 取皿を下げる時
- お会計をする時
- 退店の時
実際、だいたいこんな状況をイメージできるかと思います。
複数で来店された場合、会話が止まるようなタイミングってありますよね。
そのタイミングを見計らってお客様のテーブルへ足を運びます。
また、以下の様なタイミングもあります。
水の補充、すみません!と声をかけられた時など・・
ご意見を聞くタイミングは様々です。
タイミングをみて会話し、ご意見を頂くことも、日本酒の知識向上に役立ちます。
退店時のお見送りに
私が日本酒について一番聞きやすかったのは、退店の「お見送り時」でした。
「今日いちばん美味しかった日本酒・記憶に残った日本酒があれば教えてください」
「~飲まれていましたが、いかがでしたか?」
「~をお代わりされていましたが、良く飲まれるんですか?」
「~の日本酒が好きなんですね」
「どんな料理と日本酒が合っていましたか?」
こんな感じで1分くらい談笑しお見送りをしていました。
このようなご意見を頂くことで、自分では気が付かなかった日本酒の新しい魅力を再発見することができました。
もしお見送りシステムのある飲食店がありましたら、このタイミングでご意見を聞いてみることをおすすめします。
今回はこれで以上となります。
日本酒のメニュー内容を覚えるのは確かに大変です。
しかし、今回のように味わいをタイプ別にわけ、メニューに分かりやすく表記するなどの工夫が
「分からない」を改善する良いキッカケになります。
さらにお客様にご意見・評価を頂くことで、より一つの日本酒に対する認識を深めることができるようになります。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
中畠 忍