今回の記事の内容
日本酒の勉強のためにイベントに参加したいけど、どういった事を意識したほうが良いのかな。ワイワイさわぎながら飲むよりも有意義な時間として参加してみたいな。一人で参加したいです。
この様な質問に答えます。
こんにちは忍(@aitojyounetu)です。
20年ほど飲食業界で働いてきた中で、様々な日本酒イベントを立ち上げてきました。
現在、日本酒イベントはたくさんの方々がイベントを立ち上げて運営しています。
また、それらは小規模から大規模の日本酒イベントがあります.
今回お伝えしたいこと、それは私がどの日本酒イベントに参加しても、必ず自分流のメモを残して記録してきたことです。
具体的には「その場でメモし、記録してきたこと」ですね。
以前は紙とペンは必須だったのですが、もうその必要もなくなりました。
日本酒イベントでの勉強のコツは大きく分けて2つあります。
「1、スマホを用意し、2、一人で参戦する」です。
上記を深堀りしつつ、体験談も交えてお伝えします。
1.日本酒イベントで勉強するコツ
紙とペンの時代からスマホの時代へ
先ほども言いましたが、イベントに参加されるときは手元のスマホを使い、イベント記録をつぶさに実況作成することが勉強には一番効果的です。
アルコール中心の日本酒イベントの後、5,6時間前のことを思い出そうとしても、難しいからです。
例えば日本酒を飲む時はアウトプットをする場合によく利用されます。会社でのできごと、聞いてほしいこと、世間話、このような出来事は全てアウトプットです。
お酒を飲みながら勉強する人ってなかなかいませんよね。
また、勉強したとしても頭がぼーっとしがちで集中できなくなってしまいます。
スマホをメモ代わりに使いこなそう
そこで、はっきりとした現場の雰囲気や日本酒の味わいを明確にとらえるためにはその時味わった瞬間の記憶が必要となります。
そこで、スマートフォン、つまりスマホの出番となるわけです。
スマホ一台あれば、画像撮り、録音、録画、メモをすることができます。
片手操作も可能です
最近のスマホをみてもわかるとおり、一昔前のような画像の荒さはなくなり、とても鮮明に映し出すことができます。
かつ機能早さ、アプリの充実により、その場の雰囲気を簡単にインプットすることができるようになります。
日本酒勉強のための具体的なインプット方法
結論ですが、「日本酒の味の感想を自分の声で録音すること」です。
理由はいくつかあります。
1、イベントでは一回に注がれる量が決まっている
2、時間制限がある
3、飲めば飲むほど正常な判断がつきにくくなってしまう
4、どのような味わいだったのか忘れないようにするため5、お代わりできるとは限らない
最初に感じたままの心の声を録音することで、直感力が身につきます。
例えば、数多くとりそろえている日本酒フェスイベントなどでは、たくさんの日本酒を口にすることでしょう。
その中で、10、20種類以上飲んだとしたら、正確な味わいの判断を後で書く、なんて芸当はテイスティングのプロとしても非常に難しいです。
というか、その時に味わいを確認しないと正確な判断がつきません。
また、日本酒イベントとはいえ、家で飲むとは状況が違います。
大勢の人数参加があった場合、何を飲むか迷って会場内をあるいているうちに時間切れ、なんていうこともしばしばあります。
マイペースに、しかし確実にメモをする
もちろん、日本酒イベントだからといってたくさん飲む必要はありません。
ご自分のペースを守り、ゆっくりと味わうのも一つの楽しみ方でもあります。
しかし、日本酒の勉強を目的とした場合、最低でも10種類はテイスティングしてみて欲しいです。
そこが酒フェス、イベントの醍醐味だと私は思っています。
そして味わった瞬間にスマホ片手に自分の感じた味わいを録音もしくはメモをしてみましょう。(録音はクリックするだけなので、メモより楽です。録音からメモを拾ったほうが断然スピードが速いです)
後で振り返ると見当違いの事を言っているときもあるかも知れません。
しかし、録音した声のトーンやその時のわずかな記憶をセットで振り返ることで、単に飲んだときよりもはるかに思いだしやすくなり、「こんな味わいだったかな」と思い返すきっかけにもなりますよ。
日本酒ビギナー必見。【利き酒する出店ブースの順序を考える】
日本酒を勉強する目的なら、事前の参加酒蔵をひととおり確認しておきましょう。
事前情報や当日の案内パンフレット等で確認できます。
確認してから意識して欲しいことがあります。それは
味わいの淡い日本酒、もしくはいわゆる辛口の味わいが主体の日本酒の蔵元から回ることです。
なぜなら、シンプルな味わいの日本酒からテイスティングしていったほうが、よりあとに飲む複雑な日本酒との比較がわりと簡単にしやすいからです。
最初から「無濾過生原酒」(むろかなまげんしゅ)のような濃いタイプの味わいの酒を飲んだ場合、非常に酔いやすいリスクを伴い次の酒に進むときのスピードが落ちるというデメリットもあります。
中畠オススメのテイスティングの順番を公開します
様々な蔵元が一同に集まった日本酒イベントでの日本酒ブースを周る一例
1.味わいのシンプルかつ、こざっぱりとした爽酒
↓
2.フルーティでやや余韻の短い薫酒
↓
3.フルーティで柔らかい旨味のある薫酒
↓
4.発泡性のあるスパークリングタイプ清酒
↓
5.酸味少なくやや旨味中心の醇酒
↓
6.しっかりとした旨味と酸味が特徴の醇酒
↓
7.どぶろくや果実酒などのその他の雑種・リキュール類
↓
8.ライトな熟成感のある熟酒
↓
9.どっしりとした旨味や熟成年数の経った熟成酒
↓
1へ
上記のようなティスティングの順番を予め決めていくことで、ある程度、蔵元を回る順番を確認する事ができます。
上記の様なブースを色々みていくにつれて様々な酒蔵の特性が見えてきます。
・蔵元によって、味わいのバランスを考えた他種類を造っている酒蔵
・統一感のある旨酒のみを取り扱っている酒蔵
・フルーティさを極めたような特化型のような酒蔵 など
酒蔵の特性が見えてくるとどうなるのか
例えば居酒屋のスタッフさんが酒蔵の特性を理解したとします。
その知識をお客様にその酒蔵の特徴をお伝えすることもでき、日本酒の詳しいスタッフとして認知してもらうのに役立ちます。
また、酒販店へ発注をかけるとき、その特徴を知っていれば、自店舗に最適な一本を仕入れることが出来ます。
日本酒ビギナーの方は特に酒蔵ブースを回るときの参考にして欲しいです。
やみくもに周ってがぶ飲みするよりも、きちんと蔵元の特性を知ってから飲んだほうが特に勉強になりますよ。
2.コース型イベントは社交の場としても活用できる
こちらは不特定多数の参加者があつまる日本酒イベントではなく、予約制で開催される日本酒イベントになります。
飲食店、もしくは酒蔵が開催するパターンが多く、少~中規模で行う日本酒イベントになります。
具体的には、主に料理を中心に合わせた日本酒を楽しむ会となっているイベントのことを指しています。
このようなイベントでは、予めコース内容(料理・日本酒)を決めている場合がほとんどです。
日本酒を勉強していらっしゃる方なら是非一度参加してほしい形のイベントです。
なぜなら、私、中畠がこのようなイベントを開催していたというのも背景にあります。
このような場では社交的な参加者ばかりですし、落ち着いた料理、そして日本酒が堪能できることがなによりも魅力的です。
コースメニューは開始前に画像を撮っておく
入店されて席についたら、テーブルの上・もしくは受付にてもらった「コースメニュー」や「その日に提供される日本酒リスト」を予めスマホ撮りしておくことをオススメします。
メニューよりもスマホの方が場所をとりませんし、紙媒体ならむしろテーブルの上において置くと濡れてしまったり、料理を置くときに邪魔になるかもしれません。
持ち帰り可能でしたら、そっとかばんの中にしまいます。
そして後は撮影したメニューを眺めていれば良いので特に気になる事はないと思います。
以前、私がプロデュースしていた酒の会ではあえてメニューは置かず、プロジェクターにメニューを映し出していました。
そのメニューや画像をお客様がスマホ撮影していたので、紙代もかかりませんし、皆さんに配るという労力も削減されていた良い日本酒会だったと記憶しています。
少数参加型のイベントでは勉強する姿も話のネタになる
イベントなどでよく、バインダー上の紙にメモをしている方もいました。あれってけっこう手がふさがってしまいますし、何より料理や日本酒、もしくはテーブルに一緒になった方々との談笑に華を咲かせたいですよね。
スマホですと、ちょっとマナーが、、とは思いますがそんなに堅い感じのイベントでなければ、さほど気にならないとは思います。
その時は潔くバッグにしまいましょう。お手洗いのときにでもメモすればOKです。
もしくは周知すれば良いかと思います。経験談ですが、「勉強熱心ですなんですね」などと逆に声がかかり、話題のタネになりますよ。
周りの反応をメモにする
少しふれましたが、料理と日本酒を同時に楽しむような日本酒イベントでは、隣同士の方との会話は自分がメモした日本酒の味わい評価が役立ちます。
自分の日本酒テイスティング能力の向上に役立つからです。
どのように役立つのか
1.上手に周りの日本酒の味わいの評価と自分の評価を比べることで、味わいのニュアンンスの差を確かめることができる
2.料理とのペアリング評価・自分の意見に対するあ相手の反応を俯瞰(ふかん)で確かめることもできる
なぜなら他人同士だから、遠慮なく意見を交わすことができます。
他人とのテイスティングの評価を比べることで、自分のテイスティング能力がどのくらい精度があるのかをみることができます。
そのようにして自分のテイスティング評価をみつめ直し、テイスティングの精度は上がっていくのです。
周りの意見とすり合わせしながら、自分の意見を確立させていく方法
また、こういった他人が大勢いるなかで他人の意見をメモする事に抵抗はありますか。
私はぶっちゃけ抵抗はありません笑
たしかに最初は抵抗があるとは思います。
しかし、目的はあくまで勉強(インプット)すると決めて来場したわけです。
他人の目線は多少気になるとはいえ、メモくらいで退場になるなんて話は聞いたことはありません。
どうしても気になるようでしたら、主催者の方、もしくはレストラン、隣に座った同席者の方に事前許可をいただければなんの問題もありません。
以上のことから、ご自分のテイスティング能力を向上させたいのなら、ぜひとも同席された方々の意見を参考にしながら比較するべきと考えます。
3. それでは、一人でいきましょうか
これは数ある日本酒イベントでも言えることですが、基本イベントに参加するときは一人参加をオススメします
なぜか。その答えはまさに・自分本位で自由に動くことができる この一点に尽きます。
過去の私が一人で参加したときのメリットとしては以下の恩恵がありました。
・同調の声を入れずに自分に素直な感想をもつことができる
・日本酒を味わう「集中時間」が増える・グループテーブルにつかないことで様々な他人との交流が可能
有意義な時間を過ごすには
特にグループ参加を否定はしていません。
ワイワイ型のイベントならグループで参加し、楽しい時間をすごすことができます。
しかし、あくまでも日本酒勉強としての目的ならばあえて一人参加の方が集中しやすい。
たとえば私が主催した日本酒の会でも、彼氏・彼女・ご夫婦で参加される方もたくさんいらっしゃいました。
しかし、自分への勉強とは自分との対話なくして成立しにくいのかなとも思います。
なので一人参加という環境を選択し、日本酒を勉強するぞ!という意思を強めたほうが、非常に有意義のある日本酒会に参加できると判断しました。
わりとまじめな日本酒の会ほどお一人様の参加が多いですし、もちろん楽しむこともできます。そしてユニークな方、まじめな方いろんな方々がいて意見を交わすのがとても面白いです。
今回は以上になります。
10月いこう、秋から冬にかけて様々な日本酒イベントが開催されています。
特に寒くなってくると、野外よりも店舗などの室内開催が多くなります。
全国各地の蔵元から新酒が出荷されてくる今が日本酒イベント面白いですよ。
春・夏開催とはちがった趣向の日本酒の勉強をぜひとも日本酒イベントにて体感してみてください。
都内どこかの日本酒イベントでお会いするとき、私は一人参加をしています。
その時はどうぞよろしくお願いします。笑
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
中畠 忍
近年の日本酒イベントでは、料理とのペアリングも重要視されています。下記はペアリング方法をまとめました。
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